本当に必要なモノって?プロが考える初めてのひとり暮らしに必要なモノリスト

春は多くの人にとって、暮らしが変化するタイミング。卒業や入学、社会人デビューや転職などでひとり暮らしを始める人も多いのではないだろうか。
この記事では、ひとり暮らしデビューに本当な必要なモノを、引っ越し経験8回で、整理収納アドバイザーの吉川永里子さんに伺った。

スタート時は「最小限」を心がける

「初めてひとり暮らしを始める時に意識してほしいのは、できるだけモノを持っていかないことです。」と話すのは整理収納アドバイザー・吉川永里子さん。
元々片づけられない女であり、ひとり暮らしをしていた頃は足の踏み場もないような部屋に暮らしていたという。
「初めてひとり暮らしをするってなった時、やっぱりワクワクして色々買い揃えたくなりました。ベッドもデスクもソファーも家電も、一通り必要と思われるモノは自分で好きなモノを選んで買いました。まだまだリノベーション物件もない時代だったので、カッティングシートを使ってリメイクしたりもしました。」そう言って当時住んでいたワンルームの部屋の写真を見せてくれた。


雑誌「ひとり暮らしをとことん楽しむ!」に掲載された際の写真

誰しも、ひとり暮らしする時には、自分の好きなインテリアにしたい!おしゃれな部屋にしたい!と思うもの。でも素敵な部屋はモノがたくさんあれば叶うわけではない。ワンルームの限られた空間と限られた予算で、いかに快適かつ好みの部屋に仕上げるかがポイントだ。
またリノベーション物件なら部屋自体がおしゃれだから、少ないモノでも理想のお部屋に簡単に近づける。

絶対に必要なモノとあると便利なモノを見極める

まずひとり暮らしを始めるのに、必須のモノを伺った。
「これまでたくさんの方のお部屋を見てきましたが、その中でどんな人の暮らしにおいても必要なモノと、ライフスタイルによってあったら便利・あったら快適というモノの両方が存在します。まずは住む部屋が決まったら、引っ越しまでに必ず用意しておきたいモノをご紹介します。」

引っ越しまでに絶対に必要なモノ5選
照明
冷暖房器具
カーテン
寝具
トイレットペーパー

住む部屋が決まったら、引っ越しまでに次の3つは必ず確認しておきたい。
①照明器具が付いているか→ついていない場合は真っ暗で過ごすことになってしまう!
②冷暖房器具が付いているか→引っ越しの時期にもよるが無いと部屋で過ごせない気温になりかねない!
③カーテンのサイズを測る→部屋の中が丸見えにならないように初日に付けるのがベター!
その他に、最低限眠れる環境を整えるための寝具、トイレも必ずいくのでトイレットペーパーは引っ越し当日までに用意しておきたい。

次に引っ越し当日にあったら便利なモノと、家具や家電などの大物について紹介。

引っ越し当日あると便利なモノ5選
掃除用具とゴミ袋
カッターとハサミ
ガムテープとビニール紐
工具(ドライバーなど)
電源タップや延長コード


新居に着いたときに、すでに床や収納スペース内の汚れが気になる場合もある。サッと拭いてから荷物を運び入れられるように掃除用品は用意したい。他にも荷解きに使うカッターやハサミ、ダンボールをまとめるためのビニール紐、ゴミ袋もあると便利。そして家具や家電を設置する場合は、ドライバーなどの工具と電源タップや延長コードがあるとスムーズに配置が決められる。

家電や家具についてはできるだけ最小限に抑えて、生活をしていく中で『本当に必要』な状況になってから購入することをおすすめする。
「ひとり暮らしの方って、買ったけど結局ほとんど使っていない!という家具や家電も多いんですよね。だから足りないって感じてから購入しても遅くはないので、あまり最初から揃えすぎない方がよいです。」

生活スタート時にあった方がいい家具・家電として、前述の照明と寝具、それに冷蔵庫はあった方が何かと便利。また布団を上げ下げして寝るスタイルにしないつもりなら、家の中で一番サイズの大きい家具となるベッドも選んでおこう。それに合わせてテーブルも好みのデザインのものを選んでおいていいアイテム。ベッドとテーブルやデスクがあるだけで、床で食事をしたり、布団の上でPCを開いたりしないで済むので、メリハリのある生活が作れる。

また食器類も来客がない場合は、数はほとんど必要ない。タオルや洗面用品、日用品もできる限り持っていく数を増やさないようにしよう。

ひとり暮らしスタート時に必要なモノリスト
照明器具
冷暖房器具
冷蔵庫
電子レンジ(必要なら)
洗濯機(必要なら)
電源タップ・延長コード
カーテン
寝具(+ベット)
テーブル(またはデスク)
トイレットペーパー、ティッシュ
ゴミ袋(自治体指定の場合あり)、ゴミ箱
掃除用品(掃除用洗剤、雑巾、スポンジ、フロアワイパー)
洗濯用品(ハンガー、洗濯洗剤、物干し竿)
洗面用品(シャンプー、ボディーソープ、スキンケア、メイク用品)
キッチン用品(洗剤、スポンジ、キッチンペーパー)
食器(最小限)
調理器具(自炊派のみ)
タオル
文房具(カッター、ハサミ、ガムテープ、ペン)
工具
衣類・靴(たくさん持っていかない)
保険証・年金手帳・通帳・印鑑など
賃貸に関する契約書や説明書など
現金(多少持っておく)
その他、生活に必要なアイテム(PC、本、仕事道具、趣味グッズ)

ライフスタイルやインテリアを考えながら買い足したいモノ

実際に生活をしてみて、足りないモノや好みのモノを少しずつ買い足して、暮らしを楽しんでいくのがひとり暮らしの醍醐味。生活家電はつい揃えたくなるが、本当に必要なモノは意外と少ない。実家暮らしだった時には当然あった洗濯機、電子レンジ、掃除機、炊飯器、テレビなども全ての人に必要とは限らない。
「私が学生から社会人2年目くらいまでひとり暮らししていた時は、テレビと掃除機は持っていませんでしたね。家ではPCを開く時間が多く、掃除はフロアワイパーとコロコロで済ませていました。特に今は洗濯機・炊飯器を持たない方が多いです。自炊派の人は土鍋で美味しくご飯を炊いていたり、週末におしゃれなコインランドリーで洗濯時間を楽しんでいたり、自分のライフスタイルに合わせて家電は最小限にする傾向が強いですね。」と吉川さん。

家具の買い足しは、ベッドとテーブル(デスク)のサイズが決まった後、残りの置けるスペースとお部屋のテイストを加味してじっくり選んで欲しい。収納ラック、本棚、ソファー、チェアなど好みの家具が増えてくるとインテリアが楽しくなってくる。ただし家具を増やせばワンルームの貴重な床面積を潰すことなるので、作り付けの収納を最大限活かすことも忘れてはいけない。
「REISMのリノベーション物件の特徴は、オープン収納がたくさんついていることです。このオープンな空間をうまく使うことができると、余計な家具を買わなくて済み、部屋も広く使えます。キッチン周りの吊り棚や可動式の壁面収納は、キッチンだから調味料を置く、玄関だから靴を置く…ということではなく、そこにあったら便利!ここに置いたら可愛い!そんな風に場所やモノに囚われず自由に使ってほしいですね!」

またプラスαで取り入れてみてほしいのは、ラグやカバー類を自分好みにチェンジすること。クッションカバーやシーツなどを変えるだけで、部屋の中の印象を簡単にガラリと変えられる。暮らしに余裕が出てきたらぜひファブリックにも気を使ってみてほしい。

『インテリアファブリックの魅力とは?アイテム別の上手な取り入れ方』

初めてのひとり暮らし、空間と予算を賢く使って、自分の好きなモノだけに囲まれるライフスタイルを手に入れてほしい。

<PROFILE>
吉川永里子(よしかわ・えりこ)さん(https://yoshikawaerico.com/
収納スタイリスト®︎、整理収納アドバイザー(1級認定講師)
2008年より、片づけられない女だった過去の経験を活かし「片づけはストレスフリーに生きる近道」をモットーに活動。
働くママ・妻・女性の目線で行うライフスタイル提案が好評で、個人宅向けのアドバイスから、数々のテレビや雑誌などメディアへの出演、全国でのセミナー・講演など、これまでに10000人以上に片づけをレクチャー。
著書『もっとラクに生きる!暮らしの整理術100』『なかなか捨てられない人ための鬼速片づけ』など多数