一人暮らしの栄養不足の原因は?簡単にできる食事の対策を解説

一人暮らしの人は欠食や頻繁な外食などが原因で、食習慣が不規則になる傾向があるため、栄養不足に陥る人も少なくない。積極的にとるべき栄養を知り、意識して毎日の食事に取り入れていくことが大切だ。
ここでは、一人暮らしの人に不足しがちな栄養素を解説した上で、手軽に始めやすい栄養を補う対策を見ていこう。

一人暮らしで栄養不足になる原因は?

一人暮らしの人が栄養不足に陥りがちといわれる理由のひとつが、一人分の食事を用意するための買い物や調理が面倒で、食事の頻度やタイミングが不規則になりやすいことだ。一日3食をとらず、1~2食で済ませる人も少なくない。
現代人の欠食は「時間に余裕がない」「食欲がない」といった理由で、朝食を抜くケースが特に多い。朝食を食べないと脳がエネルギー不足に陥り、頭がボーッとする、イライラするなどの影響があるため注意が必要だ。

誰かと暮らしている場合とは異なり、一人暮らしは自分の好みだけでメニューを決められる。また、外食やお弁当などで食事を済ませると、「主食・主菜・副菜」がそろった食事をとれる機会も減るため、栄養バランスも偏りやすい。野菜や果物など、積極的にとりたい栄養素を含む食品を食べる頻度も低くなってしまう。

一人暮らしの人が不足しがちな栄養素

一人暮らしの人は、無理なダイエットや偏った食事、欠食などが原因で、栄養不足になりやすい。
バランス良く栄養をとるためにまず意識したいのが、5大栄養素だ

<5大栄養素>
・炭水化物
・脂質
・たんぱく質
・ミネラル
・ビタミン

5大栄養素のバランスが崩れると、栄養不足になりやすい。一人暮らしではパンやサンドイッチ、コンビニ弁当などで済ませることも多いかもしれない。この場合は、炭水化物や脂質をとりすぎているのに、たんぱく質やビタミン、ミネラルは不足気味になりがちだ。

反対に炭水化物を抑えすぎると、脳や体のエネルギー源が不足してしまう。バランス良く栄養をとるために、5大栄養素それぞれの働きや含まれる食材を見ていこう。

炭水化物

炭水化物には、脳や体のエネルギー源となる糖質と、腸内環境を整えるために大切な食物繊維がある。

・糖質
糖質は、脳や筋肉のエネルギー減になるブドウ糖を供給する栄養素で、ご飯やパン、麺類など主食に多く含まれる。
不足すると脳がエネルギー不足になり、集中力の低下やイライラを引き起こすこともある。ただし、とり過ぎると肥満や生活習慣病の原因となるため注意が必要だ。

・食物繊維
食物繊維は整腸効果が有名だが、血糖値上昇の抑制や血液中のコレステロール濃度の低下などの働きも持つ。「平成29年国民健康・栄養調査報告」では、男女問わず全年代で食物繊維が不足している結果となっているため、積極的な摂取を心掛けよう。食物繊維は、穀物や豆類、野菜、果実、きのこ、海藻類に多く含まれる。主食を白米や白いパンから、食物繊維の多い玄米ご飯や麦ご飯、全粒小麦パンに置き換えると、手軽にとることができておすすめだ。

脂質

脂質も炭水化物と同じく、体のエネルギー源になるほか、肌の健康維持や臓器の保護などにも大切な栄養素だが、とりすぎると中性脂肪として蓄えられ、肥満や生活習慣病の原因にもなる
脂質は魚・肉の脂身、バターや食用油脂などに多く含まれているが、極端に脂質カットしない限り、一般的には不足しにくいとされている。

たんぱく質

たんぱく質は、筋肉や臓器、血液、皮膚、髪、歯など、体のあらゆる組織を作るために大切な栄養素で、肉や魚、卵、大豆製品など主菜を作る食材のほか、牛乳やヨーグルトなどの乳製品に多く含まれる
推奨摂取量の目安は性別や年齢によって異なるが、女性に不足しがちな栄養素のひとつでもある。食事にたんぱく質が不足していると思ったときは、ゆで卵や納豆、牛乳、ヨーグルトなどをプラスするのも手軽でおすすめだ。

ミネラル

骨や歯の主成分となるほか、体の機能を正常に保つ働きがあるミネラルは、体内で生成できない栄養素のため、食品からとる必要がある。
ミネラルにはナトリウムやカリウム、カルシウム、鉄、亜鉛などさまざまな種類があるが、不足しがちなミネラルとして、カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛がある

<不足しがちなミネラル>
・カルシウム

カルシウムは、骨や歯を構成するために重要なミネラルで、小魚や牛乳、ヨーグルト・チーズなどの乳製品、大豆製品でもとることができる。

・カリウム
カリウムは体内の水分を保持するなどの働きがあり、野菜や海藻、果物などに多く含まれている。

・鉄
鉄は血液中で酸素を運ぶ役割などがあり、特に月経がある女性は不足しやすい。鉄には、レバーや赤身肉など動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」と、野菜や大豆製品など植物性食品に多く含まれる「非ヘム鉄」の2種類がある。ヘム鉄のほうが体への吸収率が高く、効率良く鉄分をとることが可能だ。

・亜鉛
亜鉛は、代謝や消化などに関わる酵素を作る働きがあり、牡蠣や海藻類、ナッツ類に多く含まれる。

ビタミン

ビタミンは体の調子を整える働きがあるとされ、その多くは体内では生成できないため食品からとらなければならない。
過度なダイエットや偏った食生活は、ビタミン不足の原因ともなりえる。ビタミンは種類によってさまざまな働きがあるため、特に不足しがちなものを見ていこう。

<不足しがちなビタミン>
・ビタミンA

ビタミンAは、目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きがあり、肉、魚、牛乳、乳製品、卵、海藻、野菜など、さまざまな食材に含まれる。

・ビタミンB群

ビタミンB群は、糖質や脂質をエネルギーに変えるために必要で、野菜だけでなく肉や魚にも多く含まれる。

・ビタミンC

ビタミンCは、血管や肌、骨を健康に保つコラーゲンの合成に必要で、ブロッコリーやピーマンなどの野菜のほか、キウイやイチゴなどの果物にも多く含まれる。

一人暮らしで栄養の偏りを防ぐための食事のポイント

ここからは、一人暮らしの人が栄養不足を改善する方法を見ていこう。
まず押さえておきたいのは、日々の食事はできる限り、5大栄養素を踏まえた主食・主菜・副菜のそろったメニューを3食とるということだ

<主食・主菜・副菜に使われる主な食材>
・主食:ご飯、パン、麺類
・主菜:肉、魚、卵、大豆製品
・副菜:野菜、海藻、きのこ

上記を踏まえて、より栄養の偏りを防ぐためのポイントを見ていこう。

野菜料理を一品プラスする

ビタミンやミネラルの補給のためにも、自炊のときはもちろん、外食する場合やお弁当を買う際は、副菜にサラダや煮物、あえ物のような野菜を多くとれる一品をプラスするのがおすすめだ。具だくさんの汁物でもいいだろう。
予算の関係で毎回プラスすることが難しい場合は、野菜が多く入ったメニューやお弁当を選びたい。

たんぱく質不足なら手軽に補える食品を足す

たんぱく質は、肉や魚、卵などを使った主菜、大豆食品を使った汁物や副菜などでとれる。ただし、時間がないときなどには、次のような食材を活用すると手軽に摂取できておすすめだ

<たんぱく質を手軽に補える食材や食品>
・ゆで卵
・納豆や豆腐などの大豆製品
・牛乳、ヨーグルトなどの乳製品
・ハムやウインナー、ソーセージ
・魚や肉の缶詰

使いやすい、または日持ちしやすい食材を活用する

自炊をする場合は、栄養を補う食事を手軽に用意するためにも、使いやすい、あるいは日持ちしやすい食材を積極的に活用しよう。

<一人暮らしでおすすめの食材>
・カット野菜や果物
・肉や魚の缶詰
・じゃがいも、玉ねぎ、さつまいもなど、日持ちする野菜

また、生鮮野菜や肉などの冷凍できる食材は使う分だけを取り分けて、ジップ付き保存袋に小分けして冷凍保存しておくと無駄なく消費できる。

間食やおつまみをドライフルーツやナッツ類にする

ドライフルーツは果物不足を補えて、保存できる期間も長いというメリットがある。ヨーグルトなどに入れることで、カルシウムも一緒に補えるおすすめの食品だ。アーモンドなどのナッツ類やピーナッツもたんぱく質や食物繊維、ミネラルなどの不足しがちな栄養が豊富なため、間食やおつまみの置き換えに向いている。
ただし、これらの食品は脂質やカロリーも高いため、食べすぎには注意しよう。

自分に不足している栄養は何なのか見直してみよう

今回紹介した不足しがちな栄養素も参考に、自身の食生活を振り返り、どの栄養素を意識して補うべきなのかをチェックしてみよう。その上で日々の食習慣を見直し、栄養不足改善のためにできることを継続していくことが重要だ。

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