好条件にもかかわらず、なぜか家賃が相場よりも安いという賃貸物件は珍しくない。しかし、その安さには物件の立地環境や設備面といった何かしらの理由が必ずあるため、まずはその安さの理由を知ることが大切だ。ここでは、家賃の安い物件にありがちな安さの理由や、物件選びの注意点について見ていこう。
家賃の安い物件を見つけた場合、入居後に思わぬトラブルを招かないためにも、安易に契約することは避けたほうがいい。ここでは、割安な物件にありがちな「安くなっている理由」を見ていこう。
マンションタイプの物件の場合、高層階のほうが日当たりや通気性が良く、騒音も軽減されるというメリットがあるため、上の階になるにしたがって家賃が高く設定されるのが一般的だ。
特に都心部の物件の低層階は、日当たりや風通しが悪い部屋も多く、家賃が割安となっているケースも珍しくない。
オートロックやモニター付きインターホンなどの防犯設備がない物件も、家賃が安いところが多い。
一人暮らしの女性にとっては、セキュリティの高さは特に重視したいポイントでもあるため、防犯設備の有無はきちんと確認しておきたいところだ。
物件の近くに線路や高速道路があると、電車や車の音、振動が部屋まで届きやすく、生活に支障が出てしまうことも。
音が気にならないタイプの人や、家にいる時間が短い人以外は、こういった部屋を避けたほうがストレスはないだろう。
建物の築年数が古い場合、借り手がつきにくいため、家賃が安くなっているケースもある。築年数が古い物件となると、設備の質や耐震性が低い物件は珍しくないのだ。
設備面でいえば、例えば扉の立て付けが悪い、水道が出にくい、設備が古く水洗トイレではない、断熱性が低いといったことが挙げられる。このタイプの物件は、外出していることが多く、家にいるのは寝るときだけという人であれば、お得な物件といえそうだ。
賃貸物件は通常、部屋の設備が故障していれば修理を行い、傷や汚れがあれば清掃してから入居者を募集する。
しかし、その修繕費用が高くつく場合や、建物自体が古く、すぐにまた修理や清掃が必要となってしまう場合は、そういった原状回復工事をしないケースもある。また、費用削減のために、退去後のハウスクリーニングを大家みずから行っていることも。
こういった原状回復工事が低予算な物件の場合、家賃が安く設定されていることが多い。
次のような周辺環境を理由に、家賃が安くなっている物件も多い。
・近くに墓地がある
・近くに歓楽街がある
・周辺に暴力団関連の施設がある
こういった周辺環境については間取り図からは判断できないため、周辺地図のチェックや、内見の際に近所を歩いて確認してみてほしい。
ここまで紹介してきた「家賃が安い理由」は、あくまで相場よりも若干安い物件に見られるものだ。しかし、物件によっては、極端に安いケースもある。これらは、「事故物件」である可能性が非常に高い。
事故物件に明確な定義はないが、一般的には次のような物件が、事故物件として取り扱われている。
・その部屋で過去に事件や事故があった
・前の入居者が部屋で亡くなった
借りようとしている部屋が上記にあてはまる場合、不動産会社は新しい入居者に伝える義務がある。そのため、事故物件と知らずに入居するということはまずないが、極端に安い部屋の理由は、念のため聞いておいたほうがいいだろう。
家賃が安い理由について、ここまではネガティブな理由をメインに紹介してきたが、必ずしもすべての安い物件にそういった悪い理由があるわけではない。物件によっては、大家の事情や、時期的な問題によって安くなっているというケースもあるため、見過ごさないようにしたいところ。
単に、すぐに借り手が欲しいために、大家が家賃を下げているというケースもある。大家によっては、家賃収入で生計を立てている人も少なくない。借り手がつかなければその月の目標収入に届かないため、入居者募集中の部屋の家賃を下げるということもあるのだ。
このような物件は、設備面や周辺環境などは特に問題ない場合がほとんどであるため、お得に借りることのできる、おすすめの物件といえるだろう。
不動産会社の閑散期は、おもに4~6月と10~11月とされており、入居希望者が少なくなるこの時期は、ある程度人気の物件であっても不動産屋が家賃を下げる場合がある。
この閑散期のタイミングで部屋探しをしているのであれば、お得に部屋を借りられる可能性が高いということも押さえておくと◎。
家賃相場と比較して割安な物件には落とし穴があり、入居後のストレスの原因となってしまうこともある。ただし、安いからといってすべての物件が悪いというわけではなく、一部のデメリットゆえに安くなっているケースが多い。
よって、まずは安さの理由を確認し、自分がそのデメリットと上手に付き合っていけるかどうかで判断してみることが大切だ。
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