File No.80Anti Y.Hさん work:IT人材会社カスタマーサクセス

理想を具現化する、
三拍子のサンクチュアリ。

「居場所」には、人が住んでいる場所のほかに、心のよりどころや安心できる場所、活躍できる場所という意味がある。

REISMのリノベーションシリーズの中で、木材のクラシカルな趣とコンクリートのモダンな佇まいが同時に味わえる、唯一無二のノスタルジック空間「Anti」。この部屋に、理想の「居場所」を求めて入居を決めたHさん。

「実は、この部屋に決める前に10件くらい内見してて。思ったような部屋に出会えなくて、うんざりしてたんです。そんなときにREISMの物件を見つけて。思い描くイメージに近いなって思ってすぐに内見を申し込みました。実際に部屋を見たら“ここだ!”って。即決でしたね(笑)」

「Anti」との出会いは、まさに一目ぼれだったという。理想とする部屋のイメージがぴったりハマって、この部屋以外考えられなかったのだとか。

「理想の部屋には外せないテーマが3つあって。“ヴィンテージ”“インダストリアル”そして“ブリーズ”。無機質だけどどこかレトロ感があって、その中に海を感じさせたいと思っていたんです」

使い込まれたような味わい深いダークブラウンのフローリングに、温かみを感じさせるラワン材の木壁。この“ヴィンテージ”空間をモダンに仕上げる“インダストリアル”なコンクリート壁。ラストを仕上げる“ブリーズ”は、無機質なグレーの壁に飛び込んでくる鮮やかなブルーにある。

「永井博さんの絵が大好きで。次に引っ越すときは、この人の絵を飾りたいって思っていたんです。海やプール、青空といったブルーが印象的な絵が多いんですけど、それを際立たすなら無機質な壁の方がいいなって。でも、絵が持つノスタルジックなイメージも大事にしたかったんです。 “ヴィンテージ”“インダストリアル”のどちらも感じられるこの部屋は、まさにイメージ通りでした」



鮮やかな色彩とマッチしたブルーの小物。絵の中の一部のように、空間に馴染む観葉植物。インテリアにも、並々ならぬこだわりを感じる。

「引っ越してきたばかりなんで、部屋の完成度としては7割くらい。テレビをなくしてプロジェクターにしたいし、部屋のアクセントになる大きめの観葉植物も置きたくて。ラックも整理したいし、キッチン下の棚もブライワックスを塗りたいんですよね。ヴィンテージ調のデスクライトも買いたいし、椅子ももう1脚増やす予定で。まだまだ途中段階ではあるんですけど、少しずつ理想に近づいているって感じが楽しいんです」

笑顔を交えながらこの部屋の展望を語ってくれたHさん。 “ヴィンテージ”דインダストリアル”דブリーズ”、三拍子揃ったこの部屋を、より「居心地の良い場所」へと開拓しているその段階も多幸感に満ちていた。



(上)以前住んでいた部屋から持ってきたという棚。「まさかのシンデレラフィットで。備え付けみたいですよね。レンジは友達が誕生日祝いに、冷蔵庫、洗濯機は前職の先輩に転職祝いとしていただきました。今度、仲の良い友人が引っ越し祝いをくれるというので、エスプレッソマシーンを狙っています(笑)」(左下)部屋のアクセントになっているブルーの花瓶。「水色の花瓶は陶芸の先生をしているおばあちゃんから貰いました。この部屋は貰いもので溢れているんですよ(笑)」(右下)ドローアラインも、ライト部分以外は人から貰ったものだという。誰からも愛されるHさんの人柄が窺える。

気になったら有言実行!
好きをカタチに変えていく

転職をきっかけに引っ越しを決めたというHさん。この部屋に越してきて3ヵ月ちょっと、暮らしに変化はあったのだろうか。

「一目ぼれではあるんですけど、職場から近いっていうのも決め手になったポイントで。3路線使えて利便性もすごく良いし、歩いて行ける距離には商店街もあって、生活するにも申し分ない。自分好みの古着屋も見つけたし、居心地の良いシーシャバーにも出会えたんですよ。金曜日の夜はそのお店に行って、お酒を飲んでシーシャを吸って帰るっていうのが日課になってます(笑)」

昔ながらの商店街が数多あり、ほどよく昭和を感じる街並み。その中には洒落たカフェや雑貨店も点在し、クラシカルとモダンが入り混じる「Anti」のよう。

「馴染みのなかった街だったんですけど、自分にはすごく合っていて。居心地がいいっていうか、すごく暮らしやすい。嬉しい誤算でしたね(笑)。ここでの生活にも慣れてきたんで、今度は趣味の時間を充実させたくて。久しぶりにカメラを再開しようと思っているんです」

写真を撮ることが好きで、自身のインスタUGO(@u__gooo)に作品をアップしていたというHさん。フィルムとオールドレンズで撮影したという、柔らかで温かみのあるノスタルジックな世界観が印象的だ。

「写真もですけど、昭和チックなフォントやデザインも好きなんです。独学でデザインの勉強をして、趣味の一環として楽しんでいるんですよ。実は、友達がやっている古着屋のロゴの制作をすることになって、好きが高じて趣味が仕事になってます(笑)」



アートに触れたり感じるのが好きで、元々芸術分野での感度が高いのだろう。独学だというデザインは、アマチュアとは思えないほどの腕前。

「少しずつですけど、デザイン制作を仕事にも繋げられたらと思っていて。“できない”って言って何もしないのは簡単だけど、それではつまらないんです。だから、気になったものや好きになったものは、どんどん触れて自分のものにしたい。人生、有言実行。言って、やったもん勝ちです(笑)」

理想の部屋するために挙げた3つのテーマしかり、イメージをカタチにするためのプロセスを踏むことに長けている。Hさんが培った人生経験が活きているのだろう。きっと、まだ見ぬ未来の壮大なプロセスもしっかり思い描いているに違いない。



(上)キッチンに棚を置き、そこに陶器のマグカップを並べたいというHさん。気に入ったマグカップに注がれるコーヒーの味は格別に違いない。(左下)料理を作るのも好きだというだけあって調味料も充実。「冷蔵庫の横のスペースを有効活用したくてスライド式の棚を買いました。普段は冷蔵庫の横にぴったりフィットしているので、棚だって気づかれないんです(笑)」(右下)黒色の家電に合わせたというワゴン。無機質さがありこの部屋ともマッチしている。

上京して気づいた
都会での深呼吸、自然での深呼吸

「Anti」での暮らしを満喫し、人生設計もしっかり立てているHさん。より高みを目指すHさんのことだ、まだまだやりたいことが溢れているのでは?

「やりたいことだらけです(笑)。地元が長野の松本なんですけど、僕と上京している友達2人と一緒に、地元を再生して地域貢献したいねって話になって。元々、地域創生に興味があったので、人が来てくれるような古民家の宿泊施設をやろうと動き出したところなんです。古民家を見に結構な頻度で地元に帰ったり、ドミトリーを見に行ったり。古民家は15件くらい見たかな。まだ走り出したばかりなんですけど、目標を決めて進むことが楽しいんです」

なんとも壮大な計画! 友達との会話から始まったプランではあるが、ここまでに至るきっかけはあったのだろうか。

「元々、衣食住を大事にしたいという想いがあって。中でも“住”は生活をするうえで基盤となるもの。都会の便利さは魅力だけど、自然溢れる場所にしか味わえない魅力もある。住んでいた自分たちだからこそ伝えられることがあると思うんです」



「“深呼吸できる場所に住みたい” って想いがあって。僕自身、今は都心に住んでいるけど、“都会での深呼吸”“自然での深呼吸”、シチュエーションはまったく違うけど、その場に合った深呼吸できる場所っていうのがあると思っていて。自然に恵まれた地元でしか感じられない景色や匂い、心地の良い自然の音色……五感で味わってもらいたい、その想いが軸になっていると思います」

ただ住むのではなく、心地よく住むことを大事にしているHさん。なるほど、「居場所」に特別な想いを抱いていたのは、こうした背景があったからなのだ。

今は「Anti」での暮らしがはじまったばかり。さらに自分好みの「居心地の良い場所」にしていくのだろう。理想の部屋が完成するのが楽しみだ。

(左)玄関には、壁の色に合わせて設置したという白のドローアラインが。スワッグを吊るし、部屋とはまた違ったアンティーク感を演出している。(右)シューズボックスには、仕事で履いているビジネスシューズやスニーカーが並ぶ。その奥には、大好きだという古着がびっしり。生活感を感じながらもすっきりまとまっているのは、Hさんのセンスの良さの賜物。

Text: Tomomi Okudaira
Photograph: Hiroshi Yahata