File No.73Boho Y.Yさん work:製造業品質管理

思い描いた未来へと続く、
アクティブライフ。

タイムマシン映画の金字塔『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のPart3のラストで、科学者ドクがこんなことを言っていた。

「君の未来はまだ決まってないということ。誰のでもそうだ。未来は自分で切り開くものなんだよ。だから頑張るんだ」

この言葉に導かれるように、Yさんは福岡から東京へと未来への扉を開いた。

お洒落な飲食店やショップが立ち並び、「住みたい街」としてあげられることが多いこの街に越してきたのは、異動がきっかけだったという。

「仕事でずっと福岡に住んでいたんですけど、出身は広島で。大学時代は大阪、神戸にいて東に住むのが初めてなんです。もともと東京で働きたいって想いがあって、東京に住むならどんな部屋にしようって部屋のリサーチはしていたんですよ。REISMのホームページもよく見ていて。だから異動が決まって、本格的にREISMで部屋を探しました」

Yさんが住処として決めたのは、ボヘミアンスタイルとニューヨークスタイルをミックスしたリノベーションシリーズ「Boho」。むら感のあるテラコッタタイルが印象的で、丸みのある開口のラインが部屋のアクセントになっている。

「決め手になったのはやっぱりこのタイルですね。部屋に入った瞬間にパッと明るく感じたんです。部屋自体も広々としていて、間取りも良かった。調光できるライトにも惹かれましたね。備え付けの棚も便利でドンピシャでした。もうファーストインプレッションで決めた感じです(笑)」



運命の部屋に出会ったYさん。見渡せば、所々に部屋を楽しんでいる“証”がちりばめられている。

「DRAW A LINE(ドローアライン)は部屋のアクセントになると思ってREISM SELECTで買いました。小物や本なども置けるテーブルもついていて、使い勝手も良くてお気に入りです。オープンラックも、引っ越しを機に購入しました。部屋に合うものを並べて、“見せる”お洒落を楽しみたくなったんです。今でこそ色々こだわりを持つようになったんですけど、もともとは家具に対するこだわりとか全然なくて。色味がバラバラでも平気で使っていましたね(笑)。でもこの部屋に越してきて、妥協したくないなって思って。過去のREISMなHitoを見たりインスタを参考にしながら家具を選びました。好きな部屋でお気に入りの物に囲まれると、綺麗な状態を維持したいって思うようにもなりましたね。意識も変わった気がします」

この部屋に越してきて1年。Yさんの東京での暮らしは、納得できるものに創り上げられていた。



(上)調光によって落ち着きのある雰囲気を醸し出すテラコッタタイル。シックなペイズリー柄のラグともマッチしている。「このラグ、実は外でも使えるんですよ。グランピングマットで滑り止めが付いているんです。大きさも丁度いいし、タイルにも映えるので部屋のポイントとして使っています」
(左下)ゆるやかなアーチの開口から見える調光ライト。スポットとして照らす存在自体が、この部屋のアクセントに。
(右下)「DRAW A LINEは、引っ越す際に真っ先に買ったもの。やさしい明りに照らされるとくつろげるんです」

大好きな名作映画が
人生の道しるべに。

この部屋で暮らすようになって、こだわることの楽しさを知ったYさん。何気なく着ていたパーカーの胸元を見ると、有名な映画のタイトルと名シーンが目に入った。この映画はもしかして……

「はい、バック・トゥ・ザ・フューチャーです。この映画が本当に大好きで、このシリーズのアイテムが出るって知って帽子とともに買いました。もう何百回と観ていて、セリフも頭に入っているくらい好きなんです。小さい時に初めて観たんですけど、そこからどハマりして。このDVDは当時1万円以上して、小学生のお小遣いで買えなくて親に欲しいって頼んで、テストで100点取ったらいいよって。死ぬ気で頑張って100点取って買ってもらいました(笑)。世界観が良いし、車がタイムマシンっていうのにも憧れたんですよね。Part2を観た時は空飛ぶ車作りたいって小学生の時に思ったんです。映画の中で科学者のドクが、小さい頃にジュール・ヴェルヌの小説を読んでいたって話をするんですけど、それを聞いて同じ本を買いに行きましたね。内容とか全然わからずSF小説を読んでいました(笑)。それに、この映画を観て理系に進みたいって思ったんです。自分の人生観を変えた映画でもあるんですよ」



大好きな映画から自分の方向性を見出し理系への道に進み、品質管理という仕事へ。未来へのストーリーは、子どもの頃から構築されていたとは驚き。好きの熱量が人一倍で、想いが純粋だからこそ成しえたのだろう。

「好きなものに対しては、とことんハマるんでしょうね。映画ではバック・トゥ・ザ・フューチャーが好きで、アーティストならBUMP OF CHICKENが好きなんです。中学生のとき、確か『ユグドラシル』だったと思うんですけど、めっちゃいいから聞きなって友達がCDを貸してくれて。そしたらどハマりして、そこから自分でもCDを買うようになって、気づけば15年です。趣味ではじめたロードバイクも、福岡にいるときからだから6年くらいになります。走るときは、往路合わせてだいたい50~60kmくらいは裕にいきますね。ちょっと前に、家から荒川に出て、そのまま北上して埼玉に入って昼ご飯を食べるみたいなこともしました。その時は埼玉にある有名なイタリアンのピザを食べに行くことを目標にしたんですよ」

まるで子どものように目を輝かせながら語ってくれたYさん。ハマったものたちは、どれも人生を彩る糧となっていた。



(上)「実は自転車2台あるんです。ロードバイクはロングライド用で、もう1台は普段使い用として買ったマウンテンバイク。買いものとかちょっと外出するときに乗っています」
(左下)オープンシェルフにはお気に入りものが並べられている。一段目にはBUMP OF CHICKENのCDがずらり。「CD横に置いているのは、ボーカルがデザインしたネコのキャラクター。テレビの横にはツアーグッズのクッションを飾っています」
(右上)「香水も好きなんです。ル ラボの香りにハマって色々と集めるようになりました」

いずれは海外へ。
明確となった未来のヴィジョン。

好きな仕事に就いて、好きなものに囲まれた暮らし。笑顔を交えながら滑らかに自身のことを語るYさんを見ていると、心身ともに充実しているのがわかる。

「仕事は自分に合っていると思います。特殊な商材を扱っているんですけど、それも自分のキャラクターに合っていたというか。品質管理の仕事は営業のように華やかってわけではないんですけど、細かい業務をちょこちょここなす感じが向いているなって。海外のメンバーと話す機会もあるので、言葉の壁があったりと大変ではあるんですけど、それも楽しいんですよね」

英語を話すことが多いというだけあって、ディスプレイシェルフには英語の参考書や問題集、英会話教室の資料が並んでいる。いずれは海外での仕事も視野に入れているのだろうか?

「まだ東京に来たばかりなので今すぐとかは考えていないんですけど、30代前半のうちに海外で仕事ができたらって思いはあります。前に出張でドイツに行ったんですけど、それが本当に刺激になって。クリスマス時期に行ったので、本場のクリスマスマーケットを見られたのも感動しました。上手く伝えられないもどかしさがあったので、それを克服していずれは本社のスイスかドイツで働いてみたいですね」

未来へのヴィジョンを明確に描き、着実に歩むYさん。好きなものにとことんハマる姿勢は、仕事でも同じなのだ。

もし30年後の未来からYさんがタイムマシンに乗って現代に来たなら、変わらぬ信念の強さと何事にもチャレンジする自分を見て、懐かしく感じるだろう。「あの頃の自分はあんな風だった」と。そして、変える必要のない過去の自分に安堵するのだ。

タイムトラベルだけを純粋に楽しみそっと未来へ帰るYさんは、最後に、映画のセリフを用いて過去の自分に向けてこんなことを言うのではないだろうか——。

「いい言葉を教えてあげよう。何事もなせば成る」



(上)備え付けのディスプレイシェルフには英語の本以外にも、仕事に関係する本や資料が詰まっている。
(左下)携帯を見ながらゴロッと横たわって過ごすことも多いベッド。窓辺には癒しのアイテムとしてガジュマルをレイアウト。柔らかな日差しに溶け込みタイルに映えている。
(右下)「この丸い鏡も、部屋の感じと良く合っていて気に入っています。何気なく置いたものも絵になるんですよ」

Text: Tomomi Okudaira
Photograph: Hiroshi Yahata