都心へのアクセスが抜群に良い人気の街にある、「Garage/ガレージ」の部屋。
入居して約1年のYさんは、この部屋の機能的で個性的なところがたまらないという。
コンクリートの荒々しい質感を壁全面に残すことで、メンズライクな空間を実現したガレージの部屋。
何十年も使い込んだようなエイジング加工を施した足場板のフローリングは、遊び疲れた泥んこの足だって受け入れてくれそうな包容力を感じる。
少年時代に造り上げた秘密基地をも連想するまさに自分だけのガレージのような空間だ。
間取り自体が長いので、動線上に水回りを設置。
居室スペースに入ると窓からの採光がたっぷりの開放的な空間が拡がっている。
「通勤のしやすさを一番に考えて物件を探していたので、シリーズ自体にこだわりがあったわけではないのですが…。広い独立ウォークインクローゼットやガレージ特有の自由度の高さが決め手となって、ここに入居しました。」
実家から出て一人で住むからには、自分の大好きな世界観にとことんこだわり、表現する部屋にしたかった。
そんなマイ・ガレージからマイ・ワールドへと育っていくワクワク感が、空間全体から伝ってくるようだ。
「友人が初めて部屋に来た時、『まったく生活感がないね!』と言われました(笑)でも、リアルに生活しているわけだから適度な生活感があるほうがかえって快適だと思います。」
実家からコーヒーテーブルとテレビを持ってきたけれど、以前からイマイチ大きさが合わないなあ、と思っていた。
しばらくそのままにしていたものの、やはり部屋全体との違和感がぬぐえず、かといって規制品でもバランスが合わない。
それならば!と、さっそく2×4材を買ってきてDIY。
ゲーム機などを置くために2段仕様にし、スピーカーも置けるよう長い幅にして、手持ちのAV環境にジャストフィットする台を作り上げた。
台のヨコにはフックをつけて、マガジンラックに。
ワーキングデスクもイチから手作り。
高さが足りなかったのでデスク脚にカップを「履かせて」ベストな高さにきっちり調整。
自作の家具でも、機能性や使いやすさなどのクオリティがしっかりと高いためどれも非常にお洒落な雰囲気に。
さらに手作り独特のぬくもりがちょうどいい生活感となって居心地の良さにつながっているのだろう。
大好きな部屋ならリモート仕事もはかどるけれど。
休日にはできるだけ外に出てヒトとコミュニケーションをとりたいというYさんの人柄も相まって、この部屋にはヒトの心をつかんで離さない大きな魅力を感じる。
「せっかくの一人暮らしだからこそ、普通の部屋に住むという選択肢はなかったですね。一時ロンドンへ留学していたこともあったし、きっちりと枠にはまった当たり前の部屋にはしたくなかったです。」
「個」の意見を尊重する海外に身を置いていたせいか、他人とカブることがキライだというYさん。
居住スペースを自由にカスタマイズしたいという欲求がGarageのコンセプトとぴったりハマった。
さらに、インテリアというよりあくまでも「好きなモノ」にこだわり本当に気に入って良いと感じたモノだけを選び抜く。
ロンドンで購入したグッズやヨーロッパ関連のアイテムが多いのは、徹底して選んでいるから。
これぞ「モノマリスト」というストイックぶり。
キッチン家電はバルミューダで統一、折りたたみ式ソファテーブルは作家によるハンドメイド品…などなど、トータルで見たバランスもお見事。
部屋の造り自体がメンズ寄りなので、辛口になりすぎないようキュートな小物などを置きほどよく甘さをプラスしてカンペキな空間を作り上げた。
大学では心理学を専攻し、医療系の職を経て宅建を取得し、REISMに入社したYさん。
「いつかマンションを買って、思いっきりセルフリノベーションしてみたいんです!」
Yさんの行動力と視野の広さをもってすれば、近い将来に必ず叶いそうなプロジェクト。
ガレージの空間は、大きな夢を造り上げる未来製造所でもあるようだ。
Text: Yuzuka Matsumoto
Photograph: Yoshinori Tonari
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