都心に近いけれど、豊かな自然がいまなお多く残る街。
沖縄の家をイメージして造られた「Teida」は、自然と共存する環境の良い住宅街の中にある。
大きなルーフバルコニーのあるこの部屋は、解放感あふれる角部屋となっていて採光性抜群。玄関を開けるとすぐ目に入るのは、沖縄で日差しをよけるために用いられる「花ブロック」。
視線を遮りながらも、適度に光を通すので風通しの良い南国らしいアクセントとなっている。
オイル塗装で仕上げたパイン剤を使ったフローリング床は、味があり肌ざわりがやわらかく、足にやさしい。
窓辺に設けたベンチは、サンルームのような役割で外とのつながりを感じることができるスペースに。
「転勤を機にこの部屋に入居しました。建材メーカーに勤めているので、住む部屋もフローリングにこだわりたくて…。でも賃貸ってこういう味わいのある床の部屋ってほとんど無いんですよ。だからこそここを見つけた時はもう本当に嬉しくて!」
部屋自体の雰囲気も気に入ったけれど、決め手はほとんど床の質感だったという徹底ぶり。
たしかに足を踏み入れてみると足裏の肌にやさしく、とても心地よい。
「花ブロックも床材も窓辺も、この部屋の造りが何もかも好み。だから思う存分自分の好きなものだけで構成できると思いました。」
Mさんの大好きな要素がすべて揃っていた「Teida」の部屋。
その素晴らしさの全貌はいかに…?
「部屋に居る時はほとんど、窓辺のベンチに座っています。こんなスペースがある部屋なんてめったにないし、ここは本当に素敵だと思います。」
さらに、お気に入りの無垢材の床ではほぼ毎日裸足で歩き回り、時には床に直座りで過ごすというMさん。
タイル材の床などでは決して味わえない温かみさえ感じられて、とても気持ちが良いのだと言う。
また、キッチンが使いやすいから自然と自炊の機会が増えた。
トマトソース煮込みや野菜料理などレパートリーもどんどん増え、時間のある時に作り置きメニューを作りそれを日々のお弁当に活用したり。
暮らしが面白いくらいていねいに美しく整っていくのがわかった。
趣味で集めた好きな絵を飾る、写真を貼る、小物を飾る。
すべてのアクションひとつひとつが、生活と部屋を彩るエッセンスとなり、現在の形になっていった。
休日には掃除に時間をたっぷりとかけるので、心地よい空間はつねに最高の状態で保たれている。
身体と心を気持ちよくしてくれる空間は、「暮らす」ことの質をぐんと底上げしてくれるかけがえのないものなのだ。
休日にはあちこちの美術館や写真集専門店、そしてアンティークショップを巡り歩くことがなによりも大好きだというMさん。
深いこだわりぶりは周知のことなので、この部屋に招いた友人たちは全員「あなたらしい部屋ね!完成して良かった!」と口をそろえた。
「Teida」の部屋は、アンティークのモノたちと本当に相性が最高です!何を置いてもすごく絵になる♪」
Mさんの言うとおり、無垢材の床、白い壁や花タイル、建具や棚など部屋のすべての造りがMさん手持ちのアンティーク小物たちと見事にマッチしている。
まるでプロが手がけたようなクオリティの高いトータルコーディネート術。
「服、食器、アクセサリー、家具などアンティークが多くて。じつは実家にもまだたくさんお気に入りのモノがあるんです(笑)でもこの部屋に置くなら、収納する場所までよーく考えて厳選しています。せっかくなので効果的に美しく飾りたいですし。」
ちなみに花ブロックの壁は、Mさんにとって小物を美しく飾るためのギャラリースペースがわりとなっている。どこを取ってもカンペキ。
友達をもっと呼びたいから、スツールがもうひとつ欲しい。
ベランダスペースがとても広いので、オリーブの木などを置いて緑を増やしたい。
さらに間接照明などのライトを探したい。
部屋をもっともっと素敵に進化させるために、やりたいことはまだまだたくさん。
Mさんの「大好き」をすべて詰め合わせた空間は、またいつかその進化形を見ていたい気持ちでいっぱいになる。
Text: Yuzuka Matsumoto
Photograph: Yoshinori Tonari
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