駅から長い商店街が続き、暮らしやすい街の一角。のどかな住宅街の中にある「Chic」は、暖かな日差しが差し込む明るい居室が最大の魅力。表情豊かなヘリンボーンの無垢材で彩られた床、壁面のブラケットライトや真鍮細工のドアノブなど、細部まで美的なこだわりがちりばめられた気品あふれる空間となっている。
「真っ白な空間がポンとひとつ。最初から壁などで仕切られてなくて、ここはとっても自由な場所だなあ、と思ったんです。」
住人のK.Hさんは部屋の第一印象を語る。L字で広めの居室だから、家具などを用いればライフスタイルに合わせたゾーニングができるため自由度が高い。
「自分にとって好きかどうかが一番大事。そんな視点で部屋探しをしていて、たまたま選んだのがリノベーション物件だった。」
備え付けの建具なども一切なく、あるのは上質で自由なベース空間だけ。そんな部屋に無限の可能性を感じて即入居を決めたK.Hさん。以来、自分が本当に好きなモノだけを置き、ゾーニングも好きに決め、一日中居ても飽きない定位置が決まった。現在、入居からわずか1ヶ月ちょっと。でも部屋の第一印象が鮮明だったおかげで、理想のマイルーム造りはすでにほぼパーフェクトと形になった。あとは、じっくりとこの部屋での時間と思い出を増やしてくだけである。
前の住居から「これだけは持っていく!」と強く決めていた家具がある。それが部屋の中心にある大きなアンティークの棚だ。
「使い込まれた木の質感とサイズ感がとても良い味を出していて大好き。海外生まれのこの棚がお洒落に置ける部屋、ということが部屋選びの最重要ポイントでした。」
自身で買い付けてきた作家の食器や小物、雑貨、本、小さなテレビなどなど…。包容力のある大きな棚だから、普段良く使うモノを中心にまるでギャラリーのように美しく陳列しながら収納してくれる。なおかつ棚が寝室スペースとリビングを間仕切り、しっかりとゾーニングをしてくれるのだ。
家で仕事をする機会も多いK.Hさんだけに、オンオフのスイッチがきっちりと切り替えられる空間作りはとても大事。だからこそ、こんな楽しみ方ができる自由度の高いChicの部屋は最適と言える。
居・寝・食にちょうどいいスペースを確保し、自分仕様サイズに仕上げた部屋は、今や世界で一番自分を癒してくれる空間となった。
「毎日お天気が変わるように、私たち女性の気持ちもその日その時でコロコロ変わる。だから、気分に合わせて着るモノの使う食器も好きなだけ選び放題にできるようにたくさん持っていたいです。」
大好きな洋服、雑貨は本当に気に入ったモノだけを選び抜いて買う。毎日の料理だって、好きな食器に合わせてこだわって作る。こだわりと好きの数だけ、モノの量はどんどん増えていくから、収納もわかりやすくきっちりと機能的にするのが鉄則。そんな作業さえ、大好きな部屋のためなら断然楽しいものだ。
「とにかくすみずみまで好きなモノだけを置きたい。誰が見ていなくても『自分』が生活する部屋なのだから、自分にとっての居心地の良さがなによりも大切ですものね。」
ずっとやりたかったことが叶ったからだろうか、この部屋へ来てからというもの、とても心の余裕ができたというK.Hさん。部屋の存在が、毎日の生活や心持ち、ひいては人生までも大きく素晴らしく変えてく最高のお手本と言える。
Text: Yuzuka Matsumoto
Photograph: Yoshinori Tonari
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