REISM物件の定番タイプ「Hondana」の中でも、ここは居室入口をT字型に囲うちょっと変わった門構えスタイル。ダークブラウンでオトナな雰囲気を醸し出す本棚でキッチンと居室をセパレートし、趣味にどっぷりと浸れる空間に仕上がっている。廊下のハンガーラックでお気に入りの服を収納、電気のON/OFFはメカニックなつまみスイッチで。使いやすさとデザイン性、ディティールも大きな見どころだ。愛読書をきれいに保管しお気に入りの雑貨を思う存分眺めながら本と住みたい、というわがままでコアな要望にも、ばっちり応えている。
「本棚はもちろん、部屋の細部までひとつひとつがまるでオーダーメイドのよう。こんな個性的な物件、他にはないですよ。」
ずっとリノベーション物件を探していたY.Sさんは、REISMのWebサイトでこの部屋を見つけ、一目で気に入り即決した。
大好きな本をたくさん持って行きたくて、収納力を第一に探していただけにぬくもりあふれる木製の本棚が間仕切りになったこの部屋はニーズにぴったりだった。
「モノを置いても本を置いてもスタイリッシュになる。この本棚の部屋の魅力を一度知ってしまうと、もう普通のオーソドックスなワンルームには戻れないですね。」
満足度の高い居住空間との出会いは、やはり一期一会。この部屋に越してきて4カ月。Y.Sさんと本棚の間に、切っても切れない絆が生まれた。
「単身赴任の気楽な一人暮らしなので、だらだらしてしまうかと思ったのですが、この部屋に来たら、逆に自炊もトレーニングも自然にがんばるようになりました。」
本棚で間仕切りされた使いやすい2口コンロのキッチンと長い廊下、そしてリビング。機能的なゾーニングが、上手に気分を切り替え、毎日の暮らしにとても良い作用をもたらした。
いつでも気軽にストレッチやトレーニングができるよう、ヨガマットは敷いたままにし、トレーニング道具も同じスペースに置く。長い廊下スペースを利用し、趣味であるゴルフのパタースペースも作り気が向いたとき、すぐに練習できるよう道具を設置しておく。キッチンゾーンにある小窓からは夜景や四季折々の景色が望め、料理の合間に軽く飲みながらそこに立つのが楽しみになった。
それらすべての動作が、より良い自分でいられる結果へとつながっている。そしてそれは、まぎれもなく、この部屋の環境や造りにより実現している。
「一人暮らしの部屋なんて、ともすると単に寝に帰るだけの部屋になってしまうものですがここは、ちゃんと『暮らす』ところだと思います。もうすっかり『自分の家』って感じですね。」
緑の多い地域という立地条件はもちろん、それ以上に質の良い住環境こそが、仕事や趣味、毎日の生活クオリティの向上へとつながる。そんな真理を、Y.Sさんのような生活上級者は誰よりも深く理解しているものなのだ。
「たくさんの本はもちろん、日常雑貨や衣服だってなんだって、たくさん置けてしかもお洒落に陳列できる。本当に、この本棚は万能ですよね!」
本棚があるおかげで、この部屋のコンセプトは最初からブレることなく一貫して「家具を置かず、シンプルに」だった。たしかに、Y.Sさんのこの部屋には小さなイスとテーブル以外、家具が一切置かれていない。テレビ台さえもなく、そのコンセプトは徹底している。
一面だけあるコンクリート打ちっぱなしの壁の効果を活かし、絵やテレビなど観賞するためのモノを集約して配置した。無機質なコンクリート壁だからこそ、置かれた絵や画面の華やかさがより際立つというねらいが、見事にはまっている。
家具がないメリットは、他にもある。道具を広げれば瞬時に作業スペースに、布団の配置しだいで寝る場所も自由。さらに友人たちをたくさん招いても、思い思いのスペースでくつろげるなど、自在に使えるフラットな床面が生み出す可能性は無限大だ。
「この空間は、自分にとって本当に必要で欠かせないもの。芯からリラックスできれば脳の状態も良くなり、未来を創るクリエイティブな仕事にだってつながりますから。」
そう語るY.Sさんの顔ごしに、たくさんの書物とY.Sさんの軌跡をつめた本棚が静かに広がっていた。ここは本棚と住人が織りなす、癒しと成長のための素晴らしい空間だ。
Text: Yuzuka Matsumoto
Photograph: Yoshinori Tonari
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