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M.Kさんは、都内で部屋を探し始めた当初、リノベーション物件の存在をまったく知らなかった。
「古民家を改装して住んでいる先輩からリノベーション物件のことを聞き、興味を持ったところにちょうど別の友人からこの『Hondana』という部屋があることを教えてもらい、即決めてしまいました。」
「hondana」といコンセプトをもとにリノベートされた部屋。6.5畳の部屋の壁一面が、建具屋職人の仕事による重厚感ある本棚で埋め尽くされている。
本がたくさん収められて、なおかつお洒落な部屋に住みたかったというM.Kさんとこの部屋は、人の縁を通して出会うべくして出会ったと言える。そしてここまでピンポイントな要望にこれほどフィットする物件は、他にはそうそう無いだろう。
壁面本棚はやさしくてあたたかな質感の無垢材で作られ、じつにシンプルに仕上げてある。何を入れてもよし、どこを使ってもよし。使う人が好きに使える自由度の高い棚は、インテリアの想像をどこまでもかき立ててくれる画期的な機能壁だ。
手を伸ばせば欲しいものがそこにある。
けれどすっきりスタイリッシュに収納できるのは、「作り付け棚」の最強のメリットだ。
ビール瓶を飾ってもジャストサイズ、愛用のモモンガモップでの掃除ですらそのサイズはぴったりフィットする。
どこまでも使い勝手の良い本棚。
大好きなビールの瓶や趣味の本。勉強の本、仕事の本、そして、ネクタイや腕時計などの小物類。
リラックスエリアからワーキングエリアまで。部屋の奥からそのエリアをグラデーションのように分けて収納することによって、朝起きてから会社へ行くまでのラインが流れるようにスムーズになる。
ワーキングエリアとなるデスクを置いた時にも、嬉しい驚きがあった。
「もともと持っていたデスクの高さと作り付けのカウンターの高さが、あつらえたようにピッタリだったんです。おかげであとの家具選びはとてもラクでした。」
本来デスク用として用意された大きなブランクのマスには、テレビを置くことができ、パーフェクトなプライベートエリアを造り出せた。
お洒落な部屋に住みたいけど、インテリアを考える時間と労力が惜しい。その点、この棚なら「置くだけ」でさまになるし、生活必需品すらスタイリッシュなインテリアに早変わりする。そんなニーズに応える本棚は、いまやM.Kさんの生活の真ん中にある。
圧倒的な収納力と包容力で好きなものを好きなだけ詰め込める本棚があれば、住人はどこまでもワクワクし、前向きになれる。この棚は、住む人にとってのパワースポットなのかもしれない。
一人の気ままな時間を過ごすにも友達を呼んで語り合うにも。
快適な空間は、素晴らしい人生に欠かせない存在だ。
シアトルのタワー模型や以前の職場でもらった記念のミニカー。
本棚があれば、ただ置いているだけでモノも価値もセンスもぐんとアップする。
「好きなお酒を飲みながら、気楽に本が読める空間を作りたかったんです。」
人の才能を見いだし、人とのつながりを生み出す、自らが「触媒」となる仕事をしているM.Kさんにとって、つねに新しい情報を得るための勉強は欠かせない。大量に所有する本の数々は必需品であり、大切な仕事道具。
人と関わる仕事の性質上、多くの友達との語り合いの時間はなによりも大切。自分の読書タイムを充実したものにするかたわら、友達との飲み会や読書会などを頻繁に開催している。
M.Kさんが創り上げた世界でたったひとつの「プライベートライブラリー」なら、誰にも邪魔されずにゆっくり語り合い、本に没頭することができる。将来的には、友人知人から本の寄付を募ったり読書会の会場としての提供も考えているという。
それぞれの夢や目標やこだわりを持つ仲間たちとの語り合いは、切磋琢磨しながらつながりを強くし、共鳴し合い大きなイノベーションへと発展していくもの。
自分を磨き、人をも磨くこの部屋から広がって行くのは、多彩で新鮮なアイディアと、人と人との縁が造り出す大きな未来なのだ。
本を読む姿勢も、心と体の赴くままに。
プライベートライブラリーの魅力は、一度知ってしまったらやめられない。
大きめのモノは、下部の大ぶりなマスの中に。
使う人のことをとことん考えて設計された本棚は、無限の収納力を誇る。
Text: Yuzuka Matsumoto
Photograph: Yoshinori Tonari
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