「この部屋ならぜったいに自分の家具と合うはず!」
古材風の板床に、白いタイル貼りのカウンター。手持ちのアンティーク家具がこのうえなくよく似合うその部屋に、ひとめ見たときから強く惹かれたというAさん。
豊富な収納棚は、おしゃれにこだわりを持つAさんにとってスタイリッシュさはもちろん実用性をも兼ね備えたすぐれもの。さらに居室方向へと続く長めのカウンターは、軽い仕事をするデスクとしても利用できる。どこをとっても自分のライフスタイルにこのうえなく心地よくフィットするその空間は、Aさんをいまでも変わりなく魅了しつづけているようだ。
物件を見に来た時は照明もなにもまだ付いていない状態だったが、天井に白い傘のシーリングライトが灯ってからは、雰囲気が一変した。壁に映し出される観葉植物のシルエットが、明かりを点けるたびに Aさんの心をやさしく癒していく。ここはほんのささやかな一瞬一瞬が大きなこころの満足度へとつながっていく、まるで魔法のような部屋なのだ。
広大な緑の公園が眼下に広がる閑静な場所にもかかわらず、繁華街には歩いていける。最高の立地条件も、この部屋の魅力のひとつだ。そんな場所でひとりの時間を過ごせる贅沢は、一人暮らしならではのもの。ましてやそれがとことん自分の好みにしつらえた部屋なら、なおさらだろう。
「自分に合った空間って、なんだかどこも【ひとり】を楽しめる所が多いです。」
ぶらりと行けるお気に入りの飲食店は、隠れ家的でいかにも通好み。無意識に自分の部屋のようなこだわりある空間を探しているのかもしれないが、それでも自室でのくつろぎにはどこも勝てない、ともAさんは言う。
居心地の良い部屋と、部屋を取り巻く最高の環境。すべてが揃ってはじめて「住み心地の良さ」につながるが、それでも主役はあくまでもそれをつくりあげる「ヒト」である。
Aさんは、そんな中で上手に住みこなし、そして存分に自分に合った一人暮らしを楽しんでいるようだ。
ジャズを歌うこと、フットサルなどをライフワークにしている多趣味でアクティブなAさん。休みの日でも映画鑑賞やパソコン作業、読書をしたりしてなるべく暇な時間は作らないようにしているが、これらはすべて「家でする」こと。家に居るのが、いまはなによりも好きだと言う。
「人と接することが多い仕事が、とても好きです。」
パリッと形の整った印象の良いワイシャツやネクタイは必需品であるけれど、本来ならわずらわしいはずのそれらの管理すら、いまは楽しくてしかたがない。収納も整理もとてもスタイリッシュに「表現」できるこの部屋であれば、それらはとても心が躍る作業へと変わるのだ。
現在は、より高いスキルを得るために勉強中だと言うAさん。その多方向にわたる趣味や高い向上心を持つ仕事へのスタンス、そして収納、整理の高いセンスは、この部屋でつねに居心地よく過ごすことから生まれた、最高の成果だといえよう。
Text: Yuzuka Matsumoto
Photograph: Yoshinori Tonari
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