Hさんは、ここに住む以前はいわゆる「普通の部屋」の住人だった。けれど、せっかく毎日帰る家ならどうしてもちょっと変わった家に住みたいと思い立ち、「リノベーション」というワードに興味を持ち始めた。
そんな視点での部屋探しをしたすえ、「REISM」の物件と出会ったという。
ただのフローリングじゃ物足りない、と言うこだわりもあり、部屋を見た瞬間、独特な雰囲気を持つ床の足場板に釘付けになった。
「ここなら好きな空間に育てあげることができる。」そう決心した最大のポイントだった。キッチンにあるカウンターから眺める部屋の風景や出窓の雰囲気も気に入ったもののひとつ。
目の前を走る電車を眺めつつ一日の始まりと終わりを感じることができるHさんの部屋は、自分の「好き」で造りあげられた究極のプライベートルームなのである。
壁のレンガは、自ら選んで貼った。アンティークの道具が好きで買いそろえているうちにインテリアにもどんどん統一性とこだわりが出てきた。
居るだけでクリエイティブな感性を刺激する空間は、そうして生まれた。
「この部屋に住むようになってから友達がたくさん来るようになりました。」
流しそうめんの竹筒や寿司の樽など友達みんなと楽しむ道具をそろえ、友人が喜んでくれる顔を見てHさんは一人で居ても居心地の良い部屋は自然と多くのヒトを呼ぶものだと、改めて気がついたと言う。
「職場から近い立地を求め、1人暮らしを始めて7年目。 実家では音響周り程度でしか好きなインテリアを統一することはできなかった。だからこそ自分の空間が欲しくて、もともとオシャレなものが好きだったからインテリアもこだわりたかったんです。」
趣味はカメラ、コーヒー、音楽、絵画、そして撮影した動画を編集すること。
人が作ったものではなく、自分が造り手となって生み出すことができるHさんだからこそ、「リノベーション」という概念をパーフェクトに生かせるのだろう。つねに感性を刺激し、細部にまで住むヒトの個性を映し出すその空間は、今日もコーヒーの香ばしい香りと色とりどりの音楽で満たされている。
現在の仕事はWEBのマーケティング関連。今の仕事はやりがいもあり、毎日はとても充実している。けれど、本心からやりたいことといえば、じつは別にあるというHさん。
「将来は、カフェのような店をやりたいです。好きな曲や自分で描いた絵を集めたりしたい。そして集まったみんながどんどん顔見知りになり、その輪が広がっていくような【絆】となるお店が出来たらいいと思っています。」
時間さえあればカフェ回りをし、行きつくしたら今度は昔ながらの喫茶店に行く。
そんな研究熱心さと趣味を仕事にしたいという思いは、この部屋でいまも着々と育っている。感性や想像力だけでなく未来への夢までもが部屋でこそ磨かれているのが傍目にもわかるほどだ。
未来の夢へつながる空間、それこそがリノベーションの最高の魅力なのだろう。
Text: Yuzuka Matsumoto
Photograph: Yoshinori Tonari
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