File No.119Kitchen Y.Yさん(夫)・A.Yさん(妻)さん work:グラフィックデザイナー・専業主婦

二人のライフスタンスが息づく、
カウンターが導く暮らしのリズム。

『ライフスタイル』とは、生活する場所や、インテリア、ファッション、趣味など、生活する上での選択を表す。一方で『ライフスタンス』は、価値観や信念を持ってどう生きるか、内面的な姿勢を表す。

『ライフスタイル』は外に現れる生活の仕方、『ライフスタンス』は、その生活を支える内面的な信念。一見すると対照的に感じるが、この2つのバランスが成り立ってこそ生活の質は向上し、より良い暮らしのカタチが息づく。

Yさん夫婦は、生活する上での価値観や信念を認め合い、互いの意見を尊重しながら「Kitchen」を決めたという。



「もともとはUR賃貸住宅に住んでいて、そのときに同棲することになりました。
結婚も考えていたので、次に住む物件を探しはじめたんです。下町のカフェやお店に二人でよくいっていたので、その辺りがいいねってことで色々探していたときにREISMを見つけました。最初はBOXも候補にあのですが条件に合わず。。。そんなときにこのKitchenに出会いました。」



「はじめて見たとき、この広いカウンターにびっくりしました。こんな部屋があるんだって。奥さんがよく料理をするので、コンロが3口ついているのもポイントが高かったです。それに、プロジェクターで映画をよく観るので、広い白壁があるのも良かったです。総合的にみて、自分たちに合うのはKitchenかもねってことになって、最終的に奥さんがこの部屋に決めました。決定権は奥さんにあるので(笑)。」

自分たちの思い出の答え合わせをして、顔を見合わせふふっと笑う。

二人で決めた「Kitchen」に住み始めて、4年過ぎたというYさん夫婦。高校の同級生で、同じものづくりの学校に通っていたという。Y.Y(以下Yさん)さんはデザイン科、Y.A(以下Aさん)はインテリア科で、今はYさんはグラフィックデザイナーとして活動しており、Aさんはゼネコンを経て、現在は主婦として家庭を支えているそうです。

「この部屋にあるものは、ほとんど前に住んでいた部屋から持ってきたものなんですけど、カウンターの椅子2脚はこの部屋に合わせてIKEAで買いました。欲しいものがだいたい一緒なので、相談しながら決めています。部屋にあるものはIKEAか手作りしたものですね。」



手作り? さらっとすごいことを言ったAさん。ちなみに、どれが手作りなのだろうか。

「この本を立てている木のオブジェは、大学のときの課題で作ったものです。本を立てかけているんですが、椅子としても使えるんですよ。実はすごく強度があるんです。こっちの壁に立てかけている絵は、高校のときの課題で描いたものです。部屋に合うと思って飾っています。」

この素敵なインテリアが、まさかAさんの手作りだったとは。ただ飾るだけじゃなく、そのものが活きるように装飾し、部屋の一部として成り立っている。デザインセンスだけじゃなく、インテリアのセンスも流石。

「二人の好きなものが似ているのは良かったですね。ケンカにならないので(笑)。部屋が広いわけではないので、物がごちゃっと見えないように気をつけてはいますが、基本的には自分たちの好きなものを置くようにしています。」



落ち着いたトーンのローソファーに、合わせるよう置かれたローテーブル。圧迫感のない空間が心地よく、実際の面積以上に広さを感じる。

「部屋が広く見えるように、高さのないものを置くようにしています。それに、この白い壁にプロジェクターを映すので、低いソファーとテーブルが良くて」

とYさん。映画を観る際は、飾っているアート作品を外しているという。



映画を鑑賞する際は、カウンターに置いている椅子の向きを変えて並んで観ているというYさん夫婦。それぞれ別の椅子に座り映画館のスタンスで観られるので、集中できそうだ。

お互いの意見を尊重し、二人で育む「Kitchen」での暮らし。二人のデザインセンスが調和し、日々、心地の良い空間へと昇華している。

カウンターが育む、
二人の心地良い距離感。

料理を楽しみたい人のためのリノベーションシリーズとして人気の「Kitchen」。広々としたカウンターキッチンに3口のガスコンロ、ワイドシンクや収納棚など、料理好きにはたまらない設備が整っている。



かくいうYさん夫婦も、このカウンターキッチンに心惹かれ決めたわけだが、ただ料理を楽しむ場というだけでなく、生活をする上で欠かせない場になっているという。

「物を置くスペースが限られているので、このカウンターをデスクとして使用しています。半分在宅なので、家で仕事するときはこのカウンターでしているんですけど、資料を広げながら作業ができるので使いやすいですね」



Yさんは広告代理店に勤務するグラフィックデザイナー。PCを置き、その周りには資料や参考本を並べ作業をしているそう。

「IKEAで買った椅子は、このカウンターに合わせたので高さがちょうど良いんです」

自宅で作業をするときは、ここが定位置だというYさん。仕事が一段落したタイミングでAさんが向かい側でお茶を入れるという。



「家にいるときにはお茶を入れて一緒に飲んでいます。カウンター越しなので、お店感があってとても気に入ってます。ご飯を作り置きしたり、パンを焼いたりしています。カウンターが広々として調理がしやすいし、調味料を並べられる棚が備え付けてあるのも便利です。」

料理を作り、仕事をし、カウンター越しでそれぞれの時間を過ごす。同じ空間の中でカウンターがそれぞれのテリトリーを確立し、心地の良い距離感を生み出している。

「家に友だちを呼ぶことも多くてちょっと前に餃子パーティーをしたんですけど、カウンターが広いので一緒に作業しながら作れたのも良かったですね。Maxで10人来たときは、キッチンに置いているカウンターテーブルの椅子を使ったり、ソファに座ったりと各々好きなところで寛いでいました」



備え付けの収納棚の下に置かれたカウンターテーブルとハイスツールも手作りだという。天板の下が収納スペースになっていて、お皿が収納されている。通路を邪魔しないちょうどよい幅間で使い勝手も抜群。

「二人ともお酒が好きなので、カウンターテーブルに座って飲むことも。最近のお気に入りのお酒は、『モスカート』っていうマスカットのワイン。甘くて飲みやすくてハマっています。ついつい飲みすぎちゃうんですけどね(笑)。」

収納棚に置かれたお酒を見て、笑みを浮かべるYさんとAさん。このカウンターキッチンには、さまざま思い出が宿っているのだろう。これからも、二人で素敵な記憶を紡いでいくに違いない。

(左)Aさんお手製の味噌と梅酒。手作り味噌を使った料理をあてに、二人で楽しく梅酒を味わう情景が目に浮かぶ。(右)手作りのカウンターキッチンに置かれたガラスの入れ物には、たくさんのお菓子が。「今はぎっしり入っていますが、あっという間になくなっちゃうんですよ(笑)」とYさん。

二人で培った時間を、
新たな『ライフスタイル』に。

カウンターキッチンがYさん夫婦の中心となり、日々、彩りを与えている。この彩りは、抽象的な意味だけではない。実際に、この部屋がより煌めく時間があるという。



「この部屋に越してきてから、毎年クリスマスシーズンに飾りつけをしているんです。天井に電球をとりつけて、キラキラにして。毎年少しずつ飾るものを増やしていって、部屋いっぱいにクリスマス感を出しています。」

Yさんが嬉しそうに話す。すかさずAさんも、

「毎年『今年はどんな感じにしようか』って言いながら、部屋を飾りつけするのが楽しくて。準備期間からクリスマスが始まっている感じです(笑)。」



楽しそうに話すYさんにつられ、Aさんも笑顔が溢れる。

きっと今年も、ハロウィンが過ぎる前あたりからそわそわしながら、クリスマスの飾りつけをどうするか二人で相談するのだろう。なんとも微笑ましい。

「Kitchen」で過ごす時間が、二人にとってかけがえのないものになっている。この時間は、Yさん夫婦にとって期限はあるのだろうか。

「この暮らしが気に入っているので明確には決めていないですけど、ゆくゆくは自分たちで買いたいなって考えています。実は二人で計画していることがあって。もし家を買うなら、1Fをカフェ兼作業スペースにして、2Fを住居にして暮らせたらいいねって」

Yさんに続けてAさんも、

「私は料理を作るのが好きなので、料理やスイーツを作ってそこで出せたら楽しそうだなって考えています。カフェには自分たちの作品なども飾ってギャラリーにもなっている。そんな暮らしができたらいいねってよく話しているんです」

忙しいときこそ立ち止まって、
Hug Again を。



「もしそういった暮らしができるなら、場所はこの辺がいいんですよね。住み慣れた場所だし、昔ながらのお店と新しいお店が上手く馴染んでいて住みやすいので。」

Yさん夫婦が暮らすのは、東京都内でも屈指の観光地と知られるエリアのほど近く。趣を残す街には、人情溢れる下町文化が今も根付いている。近年では、おしゃれなカフェや雑貨店が軒を連ね、昔ながらの街並みと現代的なにぎわいが共存している人気のエリアだ。

「部屋は2DKくらいが理想ですかね。あくまでも夢の話なんですけど(笑)。いつか叶えられるように、それまではこの暮らしを楽しみたいですね。」

お互いの意見を尊重し、心地よい暮らしへと育んでいく。「Kitchen」での暮らしで培った二人の『ライフスタンス』は、新たな『ライフスタイル』へと形作られていくのだろう。Aさんがカフェで接客し、その横で仕事をするYさん。笑顔に溢れるそんな日常が目に浮かんだ。

(左)着物用の桐箪笥をチェストとして使用しているYさん夫婦。黒の縁がアクセントになっている。(右上)重ねた椅子の上に本を置き、その上に照明とサングラス。赤と白の椅子がモノトーンのインテリアの差し色となっていて、なんともお洒落。(右下)最近のお気に入りだというボードゲーム『クアルト』。「ボードゲームが好きで集めているんですけど、『クアルト』はお互い勝つまで続けちゃうくらいハマっています(笑)」

Text: Tomomi Okudaira
Photograph: Hiroshi Yahata