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サウナ人口が増え、同時に浸透したのが「整う」という言葉。感覚が研ぎ澄まされ、
快適さを得られることを指すのだとか。
この「整う」という感覚、なにもサウナに限った話ではない。Wasabi に住むI さんは、自然に触れ合うことで心が整うという。
「昔から土や植物に触れてきたので、大人になり、OL になってからも土に触れたい!
と思って、西東京で田んぼを持っている方に弟子入りをしている友人と一緒に、趣味でお米作りをしていました」
都内で人事・広報の仕事をしているI さん。週末に間借りしている田んぼに行って稲作に励んでいたそう。
「この部屋に越してくる前からだから、もう3~4 年続けていました。土に触れると生きてるって感じがするんですよ(笑)。
本当は毎日でも土に触れたいんですけどそれは難しいので、部屋の中でも自然を感じられるように緑を多く置くようにしています」
この部屋に住みはじめて約1年半。部屋のいたるところに、お気に入りの植物が彩る。

I さんが住むのは、古民家風のリノベーションシリーズ「Wasabi」。
杉の無垢床のほか襖を思わせるガラス戸にも多彩に木材を使用し、古き良き日本の暮らしを彷彿とさせる。
自然を感じ、温かみのあるところに心惹かれたのだろうか。
「どの部屋も可愛かったんですけど、この部屋は特に木の温もりを感じで気に入ったんです。
持っている家具とも相性が良さそうだし、Wasabi ってネーミングにもときめいて。
会社に通いやすいし立地も良かったので、同居人の従妹に相談して一緒に決めました」
もともと都心にほど近い神奈川県に住んでいたI さん。
1 歳下の従妹が家を出た際に、その部屋で一緒に暮らしていたそう。
「従妹は一人で暮らしたことがなくて。一人暮らしスキルがあるのか親同士が心配しすぎて(笑)。
親同士も私と一緒だと安心だってことで、ルームシェアを始めました。この部屋は、従妹との生活season2 です」

「この部屋にある家具はほぼ私のもので。一人暮らしの時から、
ビンテージショップや家具屋さんでコツコツ集めたお気に入りのものばかりです。
従妹のものは少ないですが、好きなものが似ているので、お互い満足して?暮らしています。笑」



窓際に置かれたベッド周りは、ナチュラルな色味で揃えられていて違和感はない。
仕事用のデスクも、アクセサーケースに素敵な絵と花が飾られて、むしろこの部屋にマッチしている。
ふとデスクの横を見ると、少しばかり違和感が。馴染むように置かれていて、
一見するとスルーしてしまうが、よく見ると系統の違う小物が並んでいる。



「従妹は写真が趣味だったり、コレクターだったり、私にはない趣味を持っています!
でもインテリアとして見せると、意外と馴染んでいるかなって(笑)。
洋服やバッグは、それぞれラックやキャビネットに入れています」
デスクの脚とオープンキャビネットのフレームを黒で揃えることで、違和感がないのだろう。
同居や同棲を考えている人は、見せ方の参考になりそうだ。
ちなみに、従妹も自然が好きだったりするのだろうか。
「私がよく花を買ってきて飾っているのをニコニコして見ているし、田んぼを手伝いに来てくれたこともあるので、好きなはずです!」

「部屋に緑があると自然と笑顔になるし、穏やかな気持ちになります。
近所におじいちゃんとおばあちゃんがやっているお花屋さんがあるんですけど、原価なの?!
と思うくらいすごく安く売ってくれるので1,000 円を握りしめてよく買いに行くんです。
いつも素敵なお花を選んでくれて、おまけもしてくれて。
心に余裕があるときに買うことが多いんですけど、心に余裕がないときこそ花が必要だなって感じるんです」
Iさんにとって自然は、心の栄養素。どんなに忙しくても、どんなに疲れていても、
自然に触れることで心がふっと軽くなり整うという。
緑に囲まれるこの部屋で暮らすことが、サ活ならぬ、ナチュ(自然)活になっているのだ。
自然に囲まれて暮らす大切さを、日々、感じているI さん。
居住スペースだけでなくキッチンにも花を飾り、心を潤しているという。

「キッチンが広くて色々と物が置けるので、可愛いキッチン小物を集めています。
この部屋は、居住スペースとキッチンをガラス扉で仕切れるのですが、
ガラス扉なので見通しがよくて気に入っています。
開けておくと風通しがいいし、キッチンとリビングを行き来することが多いので基本開けっ放しです!」
花の横には、SUGAR とDASHI と書かれた調味料入れ。可愛らしい調理道具も並んでいる。
キッチンを見る限り、かなりの料理好きとみた。
「料理はもともと好きで毎日作っています。あ、収穫したお米見てみますか?」
そういうと、米袋に入ったお米とともに瓶に移し替えたお米を見せてくれた。

「これはササシグレというお米で、みなさんきっとご存知のササニシキという品種の父親にあたります。
白米よりも水に浸ける時間は長くはなるけど、味はあっさりして食べやすいことが特徴で、すごく美味しいんですよ。
やっぱり自分で作ったお米は愛おしいし、美味しさが違います!」
普段から土鍋でお米を炊いているというI さん。
土鍋で炊くと、粒立ってふっくらするのだとか。コンロの横には、お米のほかに手作りしたという味噌も並ぶ。

「お味噌は友人と毎年仕込んでいます。難しいと思われがちですけど、意外と簡単なんですよ。
大豆と麹と塩があればできちゃうんです。味噌を作る前日は、納豆は食べないほうがいいので、そこだけ要注意です!」
自分で作る工程を経て食べるからそこ、さらに美味しく感じるという。
「次は梅仕事をしてみたいんです。梅シロップを作ってみたくて。
以前、挑戦したことがあったんですけど、そのときは失敗してしまったんです。
次は成功させて、美味しい梅酒が飲めたらいいなって(笑)」
お米、味噌作りに然り、I さんは好きに真っすぐ。何事も突き詰めたくなる性分なのだろう。
料理以外にも、突き詰めていることがあるのだろうか。
「趣味でヨガをはじめたんですけど、やりだしたらどっぷりハマりました。
18 年間クラシックバレエをやっていたので体は柔らかいほうではあったし、
呼吸法や歴史を勉強していくとすごく奥が深いことがわかって。もっと知りたいって思ったんです」


日課にしている日記も、ストレッチを兼ねてこの姿勢で書いているI さん。
テレビ台の横にはヨガマットと、体の仕組みが分かるようにと購入した骨格人体模型が。
「この記事が出るころには、ヨガのインストラクターの資格をとっていると思います。
仕事にしたいとか明確なビジョンがあるわけではないんですけど、サポートをしたり支えることが好きなので、
教える側は合っているのかなって。いつか人の成長に携わって、背中を押してあげられたらいいなと思っています」
Iさんが書いている日記は、5 年の月日を1 冊に綴れる5 年日記。何事も突き詰めるI
さんのことだ、5 年後には現実になって、今日語った想いは過去として綴られているかもしれない。
自然が好きで、好きに真っすぐに向き合う。I さんを知れば知るほど、気持ちに正直な人なのだと感じる。
「今でこそ好きなことを仕事にできたらと思っていますが、昔は好きなことを仕事にしたくなくて。
仕事にして嫌いになるのがイヤだったんです。絵を描くことが好きだったんですけど、
仕事にして嫌いになりたくなかったのもあって本業にはせずに、趣味兼、副業として活動していたこともあるんです」

幼馴染とともに、プチギフトを取り扱うオンラインブランドショップ『Hug Again』を立ち上げたIさん。
お洒落なイラストが描かれたカレンダーやステッカー、資格を持つ幼馴染が調合したお茶を販売していたそう。
「すごく楽しくてやりがいがあったけど、お互い本業が忙しくなってしまって、2年ほど続けて一旦お休みをすることにしました。
今は、本業とは別にウェディングボードのイラストや、パッケージのイラストを個人で受けているんです」

部屋には、I さんが描いたイラストのステッカーや、過去に描いたイラストを額に入れて飾っている。
シンプルな線で、強く主張しているわけではないのに、なぜだか心に残る。
なんとも不思議な魅力のある絵だ。
「描くことは楽しいので、ちゃんと続けて納得できるカタチにできたらいいなって思って
います。そして、いつになるかはわからないですけど、幼馴染とまた一緒に仕事ができたらいいなって」


今までのI さんの行動をみると、夢を夢のままで終わらせていない。今回の想いも、きっとカタチにするのだろう。
ところで、ブランドの名前の『Hug Again』はどういった意味があるのだろうか。気になって聞いてみた。
「素直に物事を見る目、それを受け入れる心。小さい頃はできていたのに大人になると難しくしていることがあると思うので、
大切なものを“やさしさで包み込もう”という意味を込めて名付けました。
今は毎日せわしなくて忘れている、自分や大切な人たちのピュアな部分をそっと抱きしめてあげたい。というコンセプトのブランドです」
自分や大事な人を包む。そんな意味が込められていたとは。
「今すぐどうこうってことではなんですけど、折を見て立ち止まるのもいいんじゃないかって思っているんです。
もう一度、自分のやりたいことに耳を傾けて、行動してみるのもいいんじゃないかって」

やりたいこととは、イラストの仕事だろうか。それともハマったというヨガのことだろうか。
「どっちも同じ熱量でやりたいです。どっちかなんて選べなくて。それに、これ以外にも叶えたい夢があって……。」
叶えたい夢! ぜひ聞いてみたい。
「実は……、絵本作家になるのが夢なんです。今からっていわれるかもしれないんですけど、
スイミーを描いたレオ・レオニは49 歳で絵本作家になったっていうし、まだいけるかなって」
なんて素敵な夢。口に出して言えるってことは、気持ちが確立しているから。
バイタリティあふれるI さんなら、ヨガのインストラクターをしながら、イラストを自分の仕事にしていそうだ。
植物に囲まれながら、心を整える。そして、忙しい自分をそのままにせず、
未来について本気で考える。
Wasabi での暮らしは、I さんにとって様々な気づきにあふれていた。
Text: Tomomi OkudairaPhotograph: Hiroshi Yahata

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