File No.110Chic K.Mさん work:製薬会社マーケティング

フェミニンを詰め込んだ小さなお城で、
恋するパリに想いを馳せて。

「La Boulangerie Moderne(ラ・ブーランジュリー・モデルヌ)」のパン・オ・ショコラにかじりつき、「Jardin du Luxembourg(リュクサンブール公園)」でジョギングをして、ピンクの壁がキュートな「La Maison Rose(ラ・メゾン・ローズ)」で小粋にお茶を。

パリの美しい街を舞台に、主人公エミリーが華やかなファッションを纏って、恋に仕事に友情にと奮闘する人気ドラマシリーズ『Emily in Paris(エミリー、パリに行く)』のロケ地は、エミリーに憧れパリへの想いを募らせた女性が世界中から訪れているという。

Chicに住むMさんも『Emily in Paris』にハマったひとり。もともとフランスの文化やインテリア、ファッションが好きで、このドラマを観てさらにフランスが好きになったそう。

「このドラマは大学生の時にハマって、今でもずっと好きな作品で。エミリーが住む部屋が可愛くて、一人暮らしをするならこんな部屋がいいなって思っていたんです。社会人になって一人暮らしをすることになって、真っ先にエミリーが住んでいそうな部屋を探しました(笑)。床はヘリンボーンが絶対で、ピンクの小物が映えるように壁は白の部屋を探していた時に、REISMのこの部屋に出会ったんです」



Mさんの心を射止めたのが、ヘリンボーンのフローリングと真っ白な壁のコントラストが印象的なリノベーションシリーズ「Chic」。古めかしさの中に上品さが漂うシャビーシックな空間は、まさしくMさんが理想とする部屋そのものだったそう。

「すべてが私好みのテイストで、こんな可愛い部屋があるんだって感動したんです! 会社へのアクセスも良かったので、内見後すぐに決めました」

ピンクをはじめとした淡い色味の小物やクラシカルな物が好きで、実家にいるときから集めていたというMさん。大きな家具はこの部屋に合わせて買い揃えたという。

「IKEAやインテリアショップで買ったりもしたんですけど、テーブルと椅子はBUYMAで買いました。形も色も可愛くて、持っている小物にも合うと思ったんです。母がこの部屋に来たときは、『世界観がぴったりだね』って言ってくれて。友だちからは、『まるでお城みたい』って(笑)。私に合っているって言ってくれたのが嬉しかったですね」

ラデュレのマカロンのようなパステルカラーが白壁に良く映える。クラシカルな小物と淡い色味が相まって、映画『マリー・アントワネット』の世界観にも通ずるからか、「お城みたい」という言葉に納得してしまった。



「この世界観を好きになったのは、幼少期に行っていた雑貨屋さんの影響なんです。フランスの雑貨を扱っていて、どれも本当に可愛くて。そこからフランスの文化やファッション、インテリアが大好きになりました」

好きが高じて、大学生のときにはフランスのリオンに留学していたというMさん。そこで“ある物”にハマったのだとか。

「アンティークの食器にどっぷりハマってしまって(笑)。その時代にしか描かれていない模様だったり形があって味わい深いんです。職人が手仕事で作ったお皿やカップはひとつとして同じものがなくて、すごく素敵なんですよ」

そう言って、テーブルの上に重なっているお気に入りのお皿を広げてくれた。

「青色の絵柄がきれいなこのお皿は、フランスのアンティーク食器クレイユ・エ・モントローのもの。18世紀に作られたお皿で、優しい青色で描かれた模様がすごく繊細できれいなんです。本当は現地で買い付けをしたいんですけど、なかなか行くことができないので、信頼するバイヤーさんから買うことが多いですね」



「このティーカップとソーサーは、イギリスの陶磁器メーカーのもの。鉄製のティーポットは、マリアージュフレールというフランスの紅茶専門店が作ったもので、比較的新しいものなんですけど百合の紋章が印象的で気に入っています。このティーポットからカップに紅茶を注いで飲むのが幸せなんです」

好きなものに囲まれ、自由で自分らしく生きる。パリジェンヌのようなマインドで、MさんはChicの部屋を心ゆくまで満喫していた。

アンティークのカップに、
お気に入りの紅茶を注いで。

ピンクの小物にアンティークの食器と、好きが詰まったMさんのお城。パリのアパルトマンのようなChicの部屋には、まだまだ好きなものが溢れているという。

「アンティークの食器と同じくらい好きで集めているのが紅茶で。フランスのものから、イギリスやドイツのものと色々集めています」



キッチンにある備え付けの棚には、パケ買いしたという紅茶がずらり。棚に置かれた小物ともマッチし、インテリアの一部となっている。

「パッケージが可愛いくて、自分好みの紅茶に出合えたときは本当に嬉しいんです。最近のお気に入りは、イギリスのフォートナム・アンド・メイソンの紅茶。ローズ系のフレーバーで、華やかな香りが広がるんですよ。ピンクの缶も可愛いんです♡」

ハート形のカップとソーサーを用意し、ハート型のティーストレーナーにお気に入りの茶葉を入れたMさん。じんわりと茶葉が染み出し、ローズの華やかな香りが部屋いっぱいに広がってきた。



家にいるときは紅茶を淹れて、本を読んだりPCで絵を描いたりすることが多いですね。集めた食器を並べてうっとりすることもよくあります(笑)。休みの日には予定を入れたいタイプなので、友だちと出掛けたりカフェで勉強をしています」

休みの日に勉強とはなんとも勤勉家。ちなみに、どういった勉強をしているのだろう。

「マーケティングの仕事をしているので関連した本を読んだり、フランス語検定の勉強をしています。いつかフランスに住みたいって想いがあるので。今すぐにではないんでけど、叶えたい夢のひとつです」

大学時代から使用している参考書をもとに、今では独学でフランス語を学んでいるという。日本に来たフランスの友人をもてなすこともあるそう。

「海外旅行も好きなので、同時に英語も勉強しています。思い立ったらすぐに行きたいので、ひとりで行くこともあって。行けばよかったって後悔したくないんです。次は北欧に行ってインテリアを見たり、オーロラを見てみたいですね」

嬉しそうに夢を語ると、そっと紅茶を飲みほした。フランスの前に、きらきらと目を輝かせて世界中を旅するMさんの姿が目に浮かんだ。

(左)IHコンロのまわりには、紅茶をはじめセンスの良いカトラリーが並ぶ。「海外のアンティーク食器のほかに、和食器も好きで集めています。この部屋にはあまり合わないので、使うときだけ出しています」(右)レトロ感のある冷蔵庫には、旅行先で買ったというマグネットが。扉を開けるたびに旅先での思い出が蘇りそう。

パリジェンヌのように、
好きなものに正直に生きる。

パリジェンヌといえば、自分自身のスタイルを持ち「自分らしさ」を大切にしているイメージがある。Mさんにとっての自分らしさとは何なのだろう。

「私にとっての自分らしさは、好きなものに正直でいることかもしれないです。子どもの頃からピンクが好きで、可愛いものも大好きで。身に着けるものもピンクが多いんですけど、人に合わせるんじゃなくて自分が着たいから着るってことを大切にしています」



玄関を入ってすぐ大きめのオープンラックがあり、そこにはたくさんの洋服がかかっている。ラックの中央には、主役とばかりにピンクの服が。

「これはシアー素材のコートで、透け感が可愛いんです。桜に合わせて春先に着ることが多いですね。ピンクのものを身にまとうと幸せな気分になるんです」

シーンに合わせて着こなしを考えているというMさん。それも自分らしさといえるのかもしれない。

「部屋でも洋服でも、世界観に入り込みたいんです。その場所に合ったインテリアや服装を楽しみたくて。桜の時期は、シアーコートのほかに着物を着てお花見をすることもありますよ。洋服で桜を見るよりも気分が上がるんです。基本は自分のために着ることが多いんですけど、祖父母に会いに行くときにも着ています。二人ともすごく喜んでくれるので(笑)」

好きなものに正直でいる。それが内面からにじみ出る自信となり、Mさんを形作っているのだろう。

エミリーと同じくマーケティングの仕事に就いているわけだが、好きなもの=フランスに関する仕事とはならないのだろうか。

「実務としてまだ経験が浅いので、自分の中でやり切ったと思ったら好きを仕事にしても良いのかなとは思っています。後々は、カラーコーディネートの資格を取ってインテリアの仕事に就いてみたいですね。リノベーションにも興味があるので、そういった仕事にも惹かれます。いつになるかはわからないですけど、コア中のコアを仕事にしてみたいですね」

今現在はオフィス街や歓楽街、商業施設が並ぶ都心部に住んでいるMさん。お気に入りの部屋ではあるというが、他のエリアや別のシリーズに住むという選択肢についてはどうだろう。



「そうですね、この部屋がとにかく気に入っているので、しばらくはこの暮らしを楽しみたいです。もし引っ越しをするなら、真っ白なお部屋のblancもいいですけどね。あ、猫足のバスタブがついている部屋には住んでみたいです。なかなかないんですけど(笑)。この場所は移動するにも便利なので、エリアはこのままがいいですね」

猫足のバスタブとは何ともMさんらしい。

好きなものに正直に、自分らしく暮らす。Mさんが持つマインドは、どんなときも自然体で、自分の価値観と幸せを大切にするパリジェンヌそのものだった。

Text: Tomomi Okudaira
Photograph: Hiroshi Yahata