雑司ヶ谷・目白近辺は、東京メトロ副都心線「雑司ヶ谷駅」、都電荒川線「雑司ヶ谷」、「鬼子母神駅」、「早稲田」、JR山手線「目白」など多数の路線や駅が使えるのでどこへでもアクセスしやすく住みやすいエリアとなっている。閑静な街並みには、古い家屋をリノベーションしたカフェや古本屋、雑貨屋などが多いほか、由緒ある神社仏閣もじつにたくさんあり、歴史やレトロな雰囲気が好きな人にはたまらない。そしてなんと言ってもこのエリアのシンボルは都電荒川線の路面電車。東京に残る唯一の都電で、早稲田から三ノ輪橋までの30停留所を運行し地域の身近な足として長年親しまれている。車窓からの眺めも新鮮な小さな車両に乗って道路の上をゴトゴトと行けば、桜やバラの見所や歴史文化の名所などへも、もれなく巡れる。また、あちこちに小さな商店街があり目白通り沿いには生活に欠かせないスーパーや飲食店も多数。池袋へも徒歩で行けるので、日常や休日の買い物にも困ることはない点でもとても暮らしやすいエリアだ。
雑司ヶ谷駅は、メトロだけでなく都電荒川線沿線にも同名駅があり、その近辺にも由緒と歴史のある建造物や霊園などがある。明治に神葬墓地として開設された雑司ヶ谷墓地には、夏目漱石や小泉八雲、永井荷風、ジョン万次郎、竹久夢二など蒼々たる面々がこの地に眠っている。また、近くには明治時代に布教のため来日したアメリカ人宣教師の住居権拠点として建てられたゴシック様式の建造物「雑司ヶ谷宣教師館」があり、館内を見学することもできるのでレトロな雰囲気に浸りたい人にはおすすめ。都電の鬼子母神駅からすぐの場所にある「雑司ヶ谷案内処」では雑司ヶ谷の観光スポットを案内してくれるだけでなく、雑司ヶ谷にまつわる資料や自ら制作した作品の展示など、地元の人が発信できるワークショップがわりにもなっている。案内処の隣にはアンティーク雑貨店がプロデュースしたカフェ、裏手には手塚治虫がかつて住んでいた「並木ハウス」などもあり、まさに文化人のオアシスのような一帯であることがわかる。
東京メトロの雑司ヶ谷駅のすぐ隣にある都電「鬼子母神駅」。そこからケヤキ並木を通ってすぐに安産・子安の神様 鬼子母神をまつった「鬼子母神堂」があり、連日多くの参拝客が訪れている。寛文4年に建立された鬼子母神堂は有形文化財にも指定されており、静かな境内には樹齢600年以上の巨木・子授けイチョウのほか、なんと創業1781年という日本最古の駄菓子屋上川口屋がある。ア二メ映画のモデルにもなったこの店は、200年以上経った今でもたくさんの子供たちであふれかえっている。また、鬼子母神・大鳥神社では毎月定期的に「手創り市」を開催。自らが創ったモノだけを限定で売ることができるので、アイディア発信や交流の場としても最高だ。豊島区はソメイヨシノ(染井吉野)桜発祥の地で、鬼子母神の隣の法明寺には見事な桜並木が続き、春は満開の桜の下を散策することができる。歴史と文化と季節を、深く心と肌で感じられる雑司ヶ谷近辺は、暮らす人を時には鼓舞し、時には癒してくれる懐の深い街だ。
雑司ヶ谷エリアから歩いて20〜30分ほどで、JR目白駅方面へ行くことができる。都バスを使ってもよし、歩いてもよし。天気や気分まかせで気楽な散策が可能だ。池袋にも気軽に徒歩で行けるので、行き先の選択肢の豊富さにとまどうほどだ。目白と池袋の間にある「目白学園 明日館」は、自由学園の学舎として大正10年にアメリカ建築士の巨匠フランク・ロイド・ライト(帝国ホテルも設計した)と、その弟子の遠藤新によって設計された洋館。ここでは毎日のように各種公開講座が行われており、カルチャー・インプットの場としてもおおいに活用できるのがうれしい。目白駅近辺を歩けば、江戸時代から戦後にかけて所在した細川家の屋敷跡の一隅に建つ「永青文庫美術館」、広大な庭園を擁する「ホテル椿山荘東京」、神田川沿いの桜並木など、行って、見て、感じたくなる場所が満載。新旧の文化や新しい刺激と心地よく共存できる唯一無二のエリアだ。
LATEST ARTICLES 最新記事
2024.05.03
2024.02.05
2023.12.04
2023.11.17
2023.10.27
2023.09.15
2023.09.01
2023.08.18
2023.08.18
2023.07.28