一人暮らしの家賃の目安はどれくらい?収入別シミュレーション

一人暮らしの物件を決める際は、予算に応じた家賃の目安を決めた上で選ぶ人がほとんどのはず。しかし、初めての一人暮らしとなると、家賃はどれくらいが適当なのか迷う人もいるだろう。家賃の目安は収入に応じて変わってくるため、まずはシミュレーションしてみるのが◎。

そこで今回は、一人暮らしの家賃の決め方について、収入別のシミュレーションも交えて紹介。併せて、家賃を抑えるためのコツも見ていこう。

一人暮らしの家賃の目安の考え方

まずは、一人暮らしの家賃はどれくらいが適当なのか、基本的な考え方を見ていこう。

一般的には月収を基準に考える

一人暮らしの家賃は、毎月の収入をベースに考えるのが一般的。その際に重要なのが、月々の総支給額だけでなく、「手取り」から考えるということだ。

手取りとは、支払われる給与(総支給額)から年金保険料や健康保険料、雇用保険料、所得税の源泉徴収額、住民税などを天引きして残った金額を指す。この手取り額は、一般的に総支給額の約75〜85%。
このことを踏まえて、一人暮らしの家賃の目安は、次のように決めるとちょうどいいといわれている。

ただし、この金額はあくまで目安。実際は貯金したい金額やライフスタイルなどによって、家賃目安も多少変わってくる。
例えば、家賃を抑えて貯金や交際費に回したい場合は、手取りが21万円以上だとしても、「総支給額」ではなく「手取り」の3分の1や4分の1を家賃の目安にするという人もいるだろう。

生活費も考慮する

家賃の目安を手取りの3分の1にしても、毎月の生活費も確保しておくことを念頭に置かなければならない。
特に、外食が多くて食費がかさみやすい人や、趣味や娯楽に使うお金が多い人などは注意したい。この場合、あらかじめ家賃の目安を5,000円程度下げてから物件探しをするのがおすすめだ。

年収や地域相場によっても家賃の目安は異なる

家賃の決め方は、年収や住む地域によっても変わってくる。
年収500万円ほどの人であれば、毎月の家賃の目安を10万円程度に設定できるが、東京では23区内と郊外とでは家賃相場も変わってくるので、同じ家賃でも住める部屋の条件は変わってくる。

このように、家賃の目安は毎月の手取り額と地域相場、住みたい部屋の条件を考慮し、総合的に判断しなくてはならない。

実際は家賃を極力抑える人が多い

収入をベースにした家賃の目安を紹介したが、一方で「将来に向けて貯金したい」「趣味にお金を回したい」といった理由から、家賃を極力抑える人は少なくない。
そういう場合は、「手取りの4分の1」を目安に物件探しをしてみると、家賃や生活費以外のことにお金を回せるようになるだろう。

【手取り別】家賃目安のシミュレーション

ここからは、月々の手取り額別に、家賃の目安をシミュレーションしてみよう。
なお、ここでは家賃の目安を「手取りの30%」として算出する。

月の手取りが15万円の場合

手取り15万円の場合、家賃の目安は4万5,000円。
すると、残りの10万5,000円で生活費をまかなったり、貯金をしていったりすることになる。生活費を切り詰めなければ交際費や貯金額も少なくなり、余裕のない印象になってしまう。

貯金をはじめ、ほかのことにお金を多めに回したい人は、手取りの約27%である4万円に家賃の目安を抑えることで、5,000円ほど浮かすことができるだろう。家賃相場の安いエリアを探したり、駅から離れた物件を探したりして工夫してみよう。

月の手取りが20万円の場合

手取り20万円の場合、家賃の目安は6万円。
残る金額は14万円となるため、手取り15万円の場合と比べると余裕が出てくる。貯金に回す金額を増やしたり、生活費の節約を多少緩めたりすることも可能だ。

月の手取りが25万円の場合

手取り25万円の場合、家賃の目安は7万5,000円。
手取り25万円なら、家賃の目安金額を高く設定できる上、生活費に回すお金にもかなり余裕がある。
だからといって、一気に生活水準を上げるのは避けたい。家賃はあくまで目安以下となるようにしつつ、貯金を増やせるようにしたい。

月の手取りが30万円の場合

手取り30万円の場合、家賃の目安は9万円。
エリアによっては部屋の条件の選択肢も広がり、趣味や旅行なども楽しみつつ、快適な一人暮らしが実現できるはず。生活費と貯金に回すお金のバランスをとりつつ、家計管理をしていこう。

家賃を抑える部屋選びのコツ

最後に、一人暮らしの家賃を抑えるために実践したい、部屋選びの3つのポイントを紹介しよう。

家賃相場が低いエリアや単線路線で探す

現在は、エリア別の家賃相場をインターネットで調べることができるため、住みたいエリアをいくつかにしぼった上で、家賃相場の低い地域を探してみるのが◎。

また、単線路線(※)の駅を狙うのもおすすめ。単線路線の駅は、利用者の少なさなどから家賃相場が低いケースが多いので、通勤・通学に支障をきたさない範囲で選択肢に入れてみよう。
また、同じエリア内でも、最寄り駅に急行が止まる駅か止まらない駅か、1駅ずらしただけで家賃相場が変動することも珍しくない。

※単線路線…相対する方向への列車を1本の線路で運行する路線。

大きい大学がある街で探す

大きい大学のある街は学生向け物件が多く、基本的に家賃相場も低いという特徴が。大学のある街は、飲食店の数をはじめ、物件の周辺環境も充実しているため、一般的に住みやすいエリアといわれている。

駅からの距離を気にせず選ぶ

賃貸物件は、駅から近いほど家賃が高くなる。家賃を抑えたい場合は、駅から遠い物件も選択肢に含めて探してみよう。健康のために多めに歩いたり自転車を使ったりして、デメリットをカバーできるようにしたい。

不動産会社にも相談してみよう

初めての物件探しとなると、地域別の家賃相場を調べたり、家賃を抑える工夫を実践したりするのは難しい。最初から住みたい地域や最寄り駅を決めず、月々の収入をもとに家賃の目安を出した上で、不動産会社にその目安内で住める物件の多いエリアがあるか、相談してみるのもいいだろう。
また、家賃の目安を決める際は、生活費や貯金に回すお金も考慮しつつ、無理なく毎月支払える金額となるようシミュレーションするのが鉄則だ。

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