かわいいだけじゃない!
LA愛に溢れたオーナーのおもてなしが最高なホステルがあるんです!

宮原亜矢 
ロサンゼルス在住ライター。ラジオ、雑誌、テレビ、ウェブなど様々な媒体で洋楽(主にロック)を紹介。2000年代前半から毎年1−2回は欧米のフェスやコンサートに足を運び、フォトグラファーを兼任することも。2011年から拠点をロサンゼルスに移すと、米中西部出身のアメリカ人と砂漠で出逢って国際結婚、コンテンポラリーアートを紹介する業務にも着手するなど良い意味で想定外の人生を歩むことに。様々な面で文化の壁、言葉の壁にぶつかりながらもLife Is Beautifulを実感している。 
インスタグラム:https://www.instagram.com/ayarchyintheus/ 
ツイッター:@ayamiyahara

ロサンゼルス(LA)在住の音楽ライター、宮原亜矢と申します。LA生活は9年目。まだまだ分からないことだらけで壁や疑問に毎日ぶつかりまくっています。はじめは憧れの地だったLAも住んでみればいろんなネガティブな面も目につくように。でも、今回ご紹介するホステルは、生まれも育ちも生粋のLAローカルで、LAを訪れてくれる人たちを全力でおもてなししたい。そんなLA愛溢れるミレニアル世代の男性が中心となってオープン。わずか2年で全米ベストホステルのトップ45、そしてLAのベストホステルトップ3に、中でもスタッフが素晴らしいと選ばれた、The Steady をご紹介します。

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The Steady運営の中核を担う2人。プロの写真家としても活動するSteve Tironaさん(左)はクリエイティブ面を主に担当しつつブランディングも担当。ホステル運営しながらカレッジにも通っているChristian Patenciaさん(右)はThe Steadyの創設者。Amazing staffと評価される、その由縁ともなっている2人でもあります。

初めてのLAでも、1人でバックパッカーの旅でも温もりを感じるホステル

LAの宿泊先はホテル、モーテルそして近頃はAirbnbをはじめとする民泊がポピュラーなイメージ。でもホテルはある程度の金額を出さないと治安もアメニティもトホホ、モーテルもちょっと暗いイメージ、少しでもLAの暮らしを体験してみたい人に人気のAirbnbもやっぱりある程度のお金を出さないと綺麗なところには泊まれないことも多いんです。ショッピングや様々な場所を訪れる予定で宿泊先の予算を少しでも抑えたい人にとって人気なのはホステルですが、ちょっと気になるのは、安い分のデメリット…。旅慣れしたバックパッカーたちでなければホステルはコストカットや旅仲間との出逢いといったプラス面の傍ら、衛生面や安全面などのマイナス面も過ってしまう人も私だけではないのでは。最近は日本でかわいいホステルがどんどん誕生していますが、さすがにLAでは…と思っている方の気持ちをホステルへグッと引き寄せる存在が今回ご紹介するThe Steadyです。

The Steadyがあるのはイーストハリウッド。有名スターの名前が刻まれた星が通りを彩るハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムから約5キロ、数ブロック以内に地下鉄、バス停があって車のない方も不便がない。空港からもUberなどのライドシェアサービスを使えば渋滞時でなければ30分以内でたどり着けるという便利な立地。そして外観はホステルの主張がまったくなく、まるで自分のアパートに帰るような気分でエントランスに向かうことができます。

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images courtesy of The Steady

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正面はこんな感じ。右側の階段からフロントへ。レトロなオートバイがディスプレイされている1階部分はPopupなどのイベントやギャラリーとしての使用も検討中とのこと。淡い色調のピンクとモスグリーンもかわいいけれどそこにシンクロするようにさりげなく描かれたサインもおしゃれ。

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階段の踊り場に置かれたウェルカムボード。英語に不安があったとしても、旅慣れしていなくても、チェックインで何が必要なのかを端的に案内。こういうボード、実はありそうでない気が。さりげない気配りがこんなところからも感じられます。

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images courtesy of The Steady 
チェックインカウンターもあるフロアのロビー。インパクトのある壁紙をはじめ、思わず「かわいいー!」と声をもらしちゃいました。LAのカラフルな街並み、そこかしこにある木々のグリーンや木目、海、そして窓から差し込む柔らかな日差し。まさしくcozy(居心地良い!)な空間です。

海外旅行の経験からインスパイアされてホステル開業を決意したChristianさん

18歳から約14年、ホテルなどでホスピタリティの仕事に就く傍ら約3年間AirbnbでビジネスをしていたというChristianさん。欧州やアジア、南米の旅行へ積極的に出掛けていたという彼は、それまでよく知らなかったホステルというものに触れたことで自分のホステルをオープンしたいと思うように。そこで彼はまず、アメリカのホステル事情をリサーチしたそうです。「ほとんどの(アメリカの)ホステルは本当にひどくて、汚いし、ベッドバグ(南京虫)もいればホームレスの問題もあった」ということで、その問題を払拭するホステルを作ろうと思った彼は2017年12月に行動開始。いくつかの候補地から偶然車で通りかかって、「ダウンタウン、コリアンタウン、シルバーレイク、もちろんハリウッド(*いずれも人気観光スポット)へも近いし、一見離れているけれどビーチにも簡単にアクセスできるメトロステーションからも近い!」とインスピレーションが閃いた現在の場所の選定や出資者、そしてSteveさんとの出会いを経て2018年8月にオープンさせたのだとか。思い立ってから形にするまでのスピードの早さに驚かされます。だからといって付け焼き刃なところは微塵もなく、以下にご紹介するホステルのインテリア画像からも、彼のポリシーがしっかりと体現された清潔感溢れる空間になっています。

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images courtesy of The Steady

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images courtesy of The Steady

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images courtesy of The Steady 
収納家具の幅に2段ベッドをもう1列置こうと考えるオーナーもいるかもしれませんが、敢えてゆとりを持たせてアートやグリーンを置いているのに好感がもてます。姿見を置いて身だしなみを気にする宿泊者への配慮も感じられます。

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images courtesy of The Steady 
明るい洗面所も掃除が行き届いていて快適に使えそうでした。ホワイトを基調としながらハンドソープのレッドとオレンジのアクセントがポップでかわいい。

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取材時に出会ったドイツからの女性2人組。壁紙のフラミンゴのようにピンクに紅潮しながら「このホステルを選んでよかった!」と明るく話してくれました。

「僕らがLAを愛しているように、みんなにも愛してもらいたんだ!」

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ここに宿泊するとフレンドリーなスタッフといつの間にかフレンドシップが芽生え、時にはみんなでカラオケナイトで盛り上がることもあるとも話してくれたChristianさんとSteveさん。ある日本人女性の宿泊客は3週間こちらにステイ、そして働きたいと希望したこともあったのだとか。「様々な要望にフレキシブルに対応できるから」との理由でホステルのサイトから予約することをオススメしていたのですが、実は大手予約サイトよりもホステルのサイトで予約するのが最安値。人間関係が希薄になりつつある昨今ですが、ここはむしろ逆。「この間泊まってくれたラスベガス在住の女性客はその後もメールでやりとりをしていたんだけど、今度また帰ってきてくれるんだ」と話していた2人は本当に嬉しそうでした。「だってここをホームみたいに感じてくれてるから」とのこと。

「ネットとかに出ている観光スポットの情報ってどこも同じだよね、ビバリーヒルズとかロデオドライブとか。でも僕とSteve、特にSteveは今LAで何が起こっているかってことをよく知っているんだ。オススメのレストランやスポット、それにショウや音楽イベントだって。旅行サイトや雑誌に載っていないような情報をもちろん無料で僕らから獲ることができるんだ」(Christianさん)

「日本人の男性客が1人でコーチェラ(カリフォルニア州インディオで開催の有名音楽フェス)に行くためにここに泊まったんだ。でも彼はコーチェラへ行ったことがなくて、しかも会場でテント泊予定だったんだけど、僕ら“きっと大変だよ”といろいろアドバイスをしたんだけど、他の、メキシコから来た宿泊客も1人でコーチェラへ行ってテント泊予定だったんだ。ここで知り合った2人だけど一緒にコーチェラへ向かって。フェスから戻ってきたら“素晴らしかったよ”って知らせてくれたよ。もしコーチェラに行ったことがない人なら、何を持って行けばいいかはもちろん(現地へ向かう)バスの乗り方とかも助けて最高の経験が出来るように助けてあげたりしているんだ。ここに泊まらない人にだってそうするけどね」(Steveさん)

「僕らはLAを愛しているから、みなさんにもLAを愛してもらいたいんだ。LAのことを知るにはここはオススメだよ。僕らはみなさんが心地よく過ごせることを大切にしているので、分からないことがあればいつでも僕たちに聞いてください。僕たちはみなさんがあらゆる点において問題なく過ごせているか、ハッピーに過ごせているかに重きを置いているので」(Christianさん)

おもてなしの心を大切にするのはアメリカ人も同じ。彼らのこうした気遣いや人を愛する心は、実際に泊まるとより心に深く刻まれることと思います。今度LAにお越しの際はぜひこのホステルのことを思い出してみてくださいね。泊まらなかったとしてもここを訪れて、おすすめの場所を訊ねても彼らのことだからそれこそ山ほどの情報を提供してくれるに違いありません。

The Steady
Address: 4302 Melrose Ave, Hollywood, Los Angeles, CA 90029
Tel: +1 3232848841
Contact: info@thesteadyhostel.com
Website: https://www.thesteadyhostel.com
Instagram: https://www.instagram.com/thesteadyhostel/