宮原亜矢
ロサンゼルス在住ライター。ラジオ、雑誌、テレビ、ウェブなど様々な媒体で洋楽(主にロック)を紹介。2000年代前半から毎年1−2回は欧米のフェスやコンサートに足を運び、フォトグラファーを兼任することも。2011年から拠点をロサンゼルスに移すと、米中西部出身のアメリカ人と砂漠で出逢って国際結婚、コンテンポラリーアートを紹介する業務にも着手するなど良い意味で想定外の人生を歩むことに。様々な面で文化の壁、言葉の壁にぶつかりながらもLife Is Beautifulを実感している。
インスタグラム:https://www.instagram.com/ayarchyintheus/
ツイッター:@ayamiyahara
普段はダウンジャケットやコートを着ることなく冬も過ごせるロサンゼルスですが、今年の冬はとても寒くて、先日はセレブなどが多く住む高級住宅地マリブに雪が降ってちょっとした話題になりました。
コロナワクチンの普及が徐々に進み、レストランのアウトドアダイニングが復活したものの、まだまだ続くソーシャルディスタンシングとステイホーム、リモートワークやスクリーングの影響で依然人々の関心はおうち時間の充実化に寄せられています。
かく言う私もこれまで以上にNetflixやAmazon Primeなどで気になる作品を見まくり、Kindleで本をダウンロードして、気が向けばカーディオバイクに乗りながら読書して、エクササイズのビデオゲームをしている日々です。
でもでも、思うんです。
本ってやっぱり指でページをめくるあの作業が愛おしい。
装丁や紙の質感、「こんなに読んじゃった!」というある種の達成感。その全てがアナログでこそえられる喜びだなって思うんです。
だから、私にとって家に籠る日々でも足を運びたくなるのは書店なんです。
中でもお気に入りの書店が本日ご紹介する The Last Bookstore という書店。
ロサンゼルスに数ある書店の中でもアイコニックと称され、インディペンデントという枠を飛び越えて、ロサンゼルスで最大の新古書店なんです。その広さ、なんと22,000平方フィート(1,858平方メートル)なんだとか。
そして広さだけでなく人気の秘密はなんと言ってもそのインテリアセンスのユニークさにあります。
まずはメインフロアの全景をご紹介しますね。
1枚目こそ本のジャンルなので分かりますが、2枚目や3枚目なんてミュージアムかな?と思うような素敵なオブジェが来場者の目を楽しませてくれます。2枚目の写真なんて本が空を舞っているような演出がファンタジー映画みたいで素敵!写真右端のタイプライターから飛び出した紙が宙に向かって飛んでいる様を表現しているのも躍動感があっていいですよね
1階は天井の高い空間にソファーが置かれたりしてくつろげるスペースがありますが、2階は所狭しと本が置かれています。でも普通のディスプレイをするはずがありません。
ホラーやSF小説を集めた小部屋の一角。暗いのでお目当ての本を探し辛いのはさておき(笑)、本の世界観とパーフェクトにマッチした演出に胸が躍っちゃいます
来場者が次々に立ち止まっていたコーナー。チケットカウンターの窓口のように設置されていて、実際の本で綺麗なサークルの窓が開いています。この棚の向こう側に回って顔抜きパネルのように楽しむことも出来るんです
そして顔を入れるとこんな感じ。
奥の本棚のデザインも去ることながら、鳥籠を置くセンス、右端の本棚のユニークなシェイプなど、他の本屋さんではまずお目にかかることがなくて、自分の家のインテリアの参考にしたくなるアイデアに溢れています
私がもっともお気に入りのスポットがこちら。本とライトでアーチを作ったスロープ。アンティークな本と近未来の宇宙船が融合したような空間。皆さんにしっかりと味わってもらいたいのでまたしてもお店のインスタグラムから画像を紹介します
2階には小部屋以外の場所はこんな感じで少し狭目の通路になっていて、さまざまなジャンルの本を眺めて行った先に待っているのが…
”You`ve reached THE LAST WALL at THE LAST BOOKSTORE” と書かれている通り、1階から巡回してぐるぐる探検するこの書店の最終地点がこちらの本棚。わーい!って心の中で叫んだのは言うまでもありませんよね
レジの側にはこんなマーチャンダイズのコーナーが。ロサンゼルス土産にもピッタリなクールなデザインのグッズが見つかります
いかがでしょう?他にも昔の銀行の金庫のような重厚なドアの向こうに年代物の税金関係のファイルが販売されていたり、本やレコードだけでなく、ワークショップが何軒もあり、アートや洋服、小物なども販売されていて、時間が経つのも忘れて楽しめます。ちなみに私は見つけた古本が今は絶版になっているのにたった3ドルという安値で売られていたのでお財布にもとっても嬉しい経験をしたのでした。
整然と陳列された近代的な書店も素敵ですが、お目当ての本になかなか辿り着けず、延々と寄り道と脇目を振りながら楽しめる場所はこれからも多くの方を惹きつけて止まないのかもしれませんね。
リンク:
THE LAST BOOKSTORE: https://www.shopthelastbookstore.com/
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