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宮田華子
ロンドン在住ライター。メディア製作会社に勤務後、2011年からフリーランスのライターに。デザイン、アート、建築、クラフト等を得意とし、文化&社会問題について日本の媒体に執筆。編集ユニット「matka」として、ウェブマガジンも運営している。情報経営イノベーション専門職大学(iU)客員教授。2015年にロンドンで小さなフラット(マンション)を購入。日本とは異なる一筋縄でいかない「イギリス・家事情」に翻弄される日々を送っている。
ウェブ:http://matka-cr.com/
インスタグラム:https://www.instagram.com/hanako_london_matka/
※記事内容は2022年11月末日時点の情報によるものです。
温暖化が叫ばれてから久しいので「ロンドンの“普通の”冬の寒さ」が分からなくなっているのですが、今年は暖かい冬ではどうもなさそうです。11月後半から太陽がまったく見えない曇天が続いています。午後3時半ごろから暗くなり、朝晩はしんしんと冷える…そんなの寒さのロンドンです。
毎朝、窓が結露で白くなるようになると「冬が来た…」と思います。
私は冬が大好きです。暗くても寒くても「それでも冬が好き」と言い続けているのですが、一般的にはイギリスの冬のどんよりとした空や、厳しい寒さは嫌われ者です。でも、それでも「クリスマスがやってくる」「ホリデーシーズンがやってくる」と思うと、多くの人の心に温かな火が灯るものです。
キャンドルは日常的に使うものですが、クリスマスを演出する必需品でもあります。
毎年ハロウィンが終わるとクリスマスシーズンが本格的に始まります。11月からクリスマスカードをお店で見かけるようになり、11月3週目から我が家の近所の小さな商店街でもクリスマスツリーの販売が始まりました。
ツリーはガーデンショップやスーパーに加え、地域の店舗(花屋さんや八百屋さん)でも販売します。
昨年のクリスマス時期もある程度コロナルールは緩和しており、クリスマスを家族以外の人とも祝うことはできました。しかし当時はまだ「全面的に国を開ける」という感じではありませんでした。今年はルールが完全撤廃されたこともあり、「今年こそは元通りのクリスマス」という雰囲気が満々に漂っています。
活気あふれるクリスマスの風景が見たくて、ロンドン中心部に出かけてきました。
「ロンドンの真ん中」と言われる場所はいくつかありますが、こちら↓はその一つであるオックスフォード・サーカス。クリスマスライト(イルミネーション)の設置はされているものの昼間はライトアップされていないので、これだけ見るとあまりクリスマス感はありませんよね。
しかし街を歩くとそこここに「クリスマス」を発見できます。
5星ホテル「The Langham」は入口にもロビーにもたくさんのツリーが飾られています。
歩きながら暖かいものが飲みたくなり、カフェチェーン「Pret」に入りました。カフェの紙製のカップもクリスマス仕様で可愛いです。
ふと見ると、テーブルの横にこんなサンドイッチツリーがありました。
サンドイッチツリーは「告知板」になっており、「クリスマス期間限定のサンドイッチを購入すると、50p(約83円)がイギリス国内の飢え、ホームレス、貧困と戦うために使われます」と書かれていました。
今年は急激なインフレやエネルギー料金の高騰等、例年以上に貧困問題が注目されています。こういう取り組みはさまざまな所で行われていますが、まだまだ足りないのだそうです。暖かいコーヒーを手にしながら、少し心が痛くなりました。
コーヒーで体を温めた後、1875年創業、ロンドンの老舗デパート「リバティ」にあるクリスマスショップに行ってみました。
チューダー朝の趣のある建物が素敵なデパート「リバティ」。ちなみにですが、この暗さで16時過ぎです。
リバティの建物は、中が吹き抜けになっているユニークな構造です。中に入ると、吹き抜けを利用した巨大でカラフルなツリーがど~んと天井から下がっていました。
かなりの迫力で目を引きます。
クリスマスショップは4階(日本的には5階)の、吹き抜けをぐるりと囲む売り場に設けられています。
「クリスマスショップ」とはその名のとおりクリスマス関連のグッズを売っている売り場で、ほとんどデパートでクリスマス前の時期に展開しています。プレゼントにまつわるも商品も販売していますが、リバティのクリスマスショップはツリーに飾るオーナメント類の充実度で知られています。
シンプルなボール類から…
凝ったデザインものまでいろいろあります。
中に孔雀がたたずむガラスのボール。
今年は長く王位にあったエリザベス女王が亡くなったこともあり、王冠をモチーフにしたオーナメントが人気になりそうです。
刺繍とビーズがほどこされていることもあり、王冠オーナメントは1個29.95ポンド(約5000円!)もします。
一見おもちゃのように見えるオーナメントですが、実は安いものではありません。毎年1つ1つ買い足して増やしていく「一生もの」なので、皆じっくりと「今年我が家に迎える1つ」を選びます。なのでオーナメント選びは時間が掛かる買い物です。
ずっと同じ売り場で足を止めている人も多いです。
リバティを出ると、すっかり暗くなっていました。そして大通り(リージェント・ストリート)には天使が舞っていました!
天使が羽を広げるRegent Streetのクリスマスライト。ここを通るたび「羽を広げて閉じる」x数回見終わるまで見入ってしまいます。夕方の喧騒に、クリスマス前の忙しさを感じます。改めて、Christmas is coming…#christmas2022 #London pic.twitter.com/JCB3hDWIjW
— ハナコです: イギリスで見えること (@hanakolondon_uk) December 13, 2022
5時を過ぎると、中心部は人が増える一方。仕事を終えた人たちが、クリスマスショッピングのために街に繰り出すからです。
オックスフォード・ストリートには星が降っていました。可愛いですが、毎年リージェント・ストリートよりは控えめな印象です。
この後地下鉄に乗ろうとしたら、混雑による危険回避のためオックスフォード・サーカス駅が一時入場禁止になってしまいました。まだ11月末の平日でこの人混みぶりですから、これからクリスマスが近づくにつれて、さらなる混雑が予想されます。特に金曜と土曜の夕方の混雑はすさまじいはずです。
クリスマス直前まで、この賑わいが続きます。寒いけれど、活気のある街並みは見るだけで元気になる光景だなと改めて思いました。
さて、我が家のクリスマス支度ですが、2日前にツリーを購入しました。
持ち運びしやすいように、ネットに入った状態で購入します。
我が家には車がないので、これまでも手で運べる範囲内のお店で購入し、自力で運んでいました。今年友人にそんな話を何気なくしたところ、IKEAでのツリー販売初日にわざわざ我が家のために買いに行ってくれて、届けてくれたのです。
小さな家なので、もっとも背が低い小ぶりなものをお店の人が選んでくれたそうですが、それでもこの高さ!
180センチぐらいの高さに台座もプラスされるので、2メートルぐらいになってしまいます。
昨年の我が家のツリーはこんなに小さかったので…
突然現れた「巨人」との同居に、まだ慣れていません(笑)
夜、階段からツリーを見ると、強盗が立っているのかと一瞬ヒヤッとします…。
でもチラチラ眺めるたびにクリスマスの気分が高まり、ほっこり嬉しい気持ちになります。この感覚があるからこそ、多少面倒でも皆ツリーを買い、丁寧に飾り付けするのだと思います。
イギリスではキリスト教の伝統にのっとり、12月25日から12日目(十二夜)のエピファニー(公現祭、1月6日)の前日に片づけるのが習わしです。生木のツリーは地方自治体がリサイクル回収してくれるのですが、回収は1月半ばから。つまりエピファニーが過ぎても1カ月半、この「巨人」ツリーと共に暮らします。
これからカードを用意したりプレゼントを買ったり、クリスマスまでにやることがたくさんあります。忙しいですが、引っ越した家で迎える初めてのクリスマス。1つ1つの作業やプロセスを楽しみたいなと思っています。
今年も記事を読んで下さってありがとうございました。
皆様、どうか良い年末年始をお過ごしください。
Happy holidays!
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