「今月はお金がピンチ!」というときの金策はさまざまだが、中にはカードローンを活用するという人もいるだろう。ただし、カードローンを使う際には、金利について知っておく必要がある。
なんとなく使ったカードローンの利息に後から気付いて慌てないためにも、カードローンの金利の仕組みについて紹介しよう。
カードローンは、住宅ローンや自動車ローンなどと違って、用途が自由なローンだ。銀行や貸金業者によってさまざまなカードローンがあり、それぞれ金利に応じた利息が生じることになる。
まずは、カードローンに関するさまざまな言葉の意味を理解しておこう。
借入金額や借入期間に応じて発生するのが利息だ。お金を借りた人(借主)が、貸してくれた人(貸主)へ支払うことになる。
ちなみに、利息と似た言葉に利子があるが、こちらは銀行などへ預けたお金に対して、預け元の銀行などから支払われる対価を指す。
借り入れた元金に対する利息の割合のことを金利という。利率ともいわれる。
カードローンの場合は、「実質年率」「年利」という言葉がよく使われているが、これはカードローンを利用する際、手数料や保証料など諸費用を加えた支払いが必要になるケースがあり、それを加味した金利を表示する義務が法律上あるためだ。
カードローン会社によっては手数料無料としている場合もあるが、利息を把握したい際には、実質年率が金利のことを指していると考えていい。
カードローンの金利は、利息制限法と出資法という法律によって上限が決められている。上限金利は、借入額に応じて3段階ある。
元金(借入金額) | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20% |
10万円以上100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
この上限を超えた金利で締結された契約は無効で、違反した貸金業者は行政処分の対象ともなるため、カードローン会社は必ずこの金利以下で貸付けを行うことになる。つまり、上限金利より高い金利を提示する業者は違法な貸金業者であり、借入れをしないよう注意が必要だ。
なお、金利の下限は設けられていないため、これよりも低い金利で貸しつけるのは特に問題ない。
カードローンの金利は、取り扱っているカードローン会社のウェブサイトなどに明記されている。インターネット上で申込みができるカードローンであれば、必ずどこかに書かれているため、探してみよう。
カードローンの金利は、ほとんどの場合「◯~◯%」というように、幅を持って記載されている。これは、実際の金利が借入限度額などの条件によって個別に設定されるためだ。
実際に借入れの申込みをしてから、「思ったより金利が高い!」ということにならないためにも、一番上の金利が適用されると思っておくのが無難だろう。
カードローンの利息は、下記の方式にあてはめることで計算できる。一般的にカードローンの金利は、年単位の実質年率になっていて、利息は日割り計算となる。
利息=元金(借入金額)×金利(実質年率)÷365(※)×借入日数
※うるう年の場合は366
例えば、5万円を金利20%で10日間借りた場合の利息額は、下記の通りだ。
5万円×20%÷365×10日=約274円
これを見て、「思ったほど高くない」と感じた人もいるのではないだろうか。実は、少額や短期の借入れであれば、カードローンを利用したとしても、それほど高額な利息は発生しない。
それでは次に、100万円を金利18%で1年間借りた場合はどうだろうか。
100万円×18%÷365×365日=18万円
18万円の利息というのは、決して安いとはいえないだろう。
このように、借入額が高く、返済までの期間が長くなるほど、支払う利息も高くなる。ただし、実際のカードローンの場合、1年間一切返済をしないとは考えにくい。通常は毎月分割で返済することで元金が減っていく上、金利の起算日をいつにするかで違いがある。
紹介した計算方法は、あくまでも目安として考えておくといいだろう。
希望する条件での具体的な利息が知りたい場合は、借入予定のカードローン会社の利息シミュレーションツールを活用するなどしてみよう。
カードローンを利用する際には、できるだけ支払わなければならない利息が少なくて済む方法を検討しよう。次に挙げるポイントを意識することで、カードローンを賢く利用できる。
同じ金額を同じ期間借りた場合、金利が低いカードローンを選んだほうが支払利息は低くなる。カードローン各社の金利を見比べて、上限金利が低いところを選ぶのがおすすめだ。
なお、住宅ローンを組んでいる人の場合、住宅ローンと同じ銀行のカードローンを利用することで、金利優遇を受けられることがある。通常の半分程度の金利でカードローンが利用できるケースもあるため、住宅ローンを組んでいる銀行のカードローンサービスについてチェックしてみよう。
同じ金額を借りても、借入期間が短ければ、それだけ利息も安くなる。そのため、不要な借入期間が生じないように、お金が必要になるギリギリに借りて、できる限り早く返すことを意識しよう。
借入額によって、利息額も変わってくる。「お金が1万4,000円足りない」というとき、全額借りる人もいれば、「1万円だけ借りて、4,000円は節約して補填しよう」と思う人もいるだろう。ひょっとすると、「念のため多めに2万円借りておこう」という人もいるかもしれない。
返済時期が同じなら、この中で一番利息が少ないのは「1万円だけ借りた人」になる。
カードローンを利用しているときに臨時収入があったら、すぐに繰上返済をしてしまおう。「とりあえず手元に持っておいて…」と使わないでおくと、借入期間の利息がかさむことになる。
カードローンの中には、初めて利用する人などを対象に「無利息期間」を設けている会社がある。カードローンを利用したとしても、この期間内に返済すれば利息はかからない。
ただし、当然、借入金を返済する必要はあるので、無利息期間内に完済できるよう、借入金額や借入時期を検討してから利用するのがおすすめだ。臨時収入やボーナス、給料など、確実に収入が見込める日から逆算して、無理のない範囲で活用するのがいいだろう。
カードローンの金利は、お金を借りる際に必ず目にする数字だ。金利の仕組みや利息計算方法がわかれば、自分で返済金額の目安を知ることもできるため、無理のない返済スケジュールを立てることにも役立つ。
金利や利息について不安がある場合は、カードローン会社へ問い合わせるのが一番だが、基本事項を把握しておくと理解度もより深まるだろう。
カードローンの利用を検討する際には、金利の仕組みを知った上で、賢く便利に活用していきたい。
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