近年、キャッシュレス決済が急激に普及してきている。その一方で、決済方法の種類が多くて区別がつかない、何を使えばいいかわからないという人もいるはず。
そこで、キャッシュレス決済にはどのような種類があり、その違いは何なのかを紹介しよう。どのキャッシュレス決済を選ぶべきか悩んでいる人は、まず、それぞれの特徴を知るところから始めてほしい。
キャッシュレス決済は、主に4つの種類に分けることができる。それぞれの種類と代表的な種類を紹介しよう。
クレジットカードは、昔からあるキャッシュレス決済の方法だ。利用者はクレジットカードの限度額内で買い物を行い、1ヵ月分の利用額をまとめて後から支払う。
支払い方法は、多くの場合がカード契約時に指定した銀行からの引き落とし。利用時に分割払いやリボ払いを指定することで、一括ではなく分割で利用料金を支払うこともできる。
なお、クレジットカードは、番号や有効期限などを入力することで、インターネットショッピングの決済にも利用できる。これは、QRコード決済や電子マネーにはない大きな特徴だ。
クレジットカードは、Visa、JCB、American Express(アメックス)などの国際ブランドカードと、国際ブランドと日本国内の一般企業・金融機関が提携したカードの2種類に分けられる。
カードごとにポイント付与の仕組みがあり、ポイントに応じたプレゼントなどのサービスが提供されている。
QRコード決済は、スマートフォンを利用したキャッシュレス決済方法。
利用方法は、下記2種類のどちらかだ。
・スマートフォンにQRコードを表示させて店舗で読み取ってもらう
・店舗のQRコードを利用者が読み込んで決済を行う
支払い方法は主に事前チャージ式となっているが、クレジットカードを登録しておくことで、オートチャージが利用できるQRコード決済もある。このような決済方法を利用した場合は、クレジットカードの支払い時に、まとめてチャージ金額が引き落とされることになる。
QRコード決済の代表的なサービスには、PayPay、LINE Payなどが挙げられる。
クレジットカードはポイント還元がメインなのに対して、QRコード決済では利用額の一部をチャージ残高として還元するケースが多い。
電子マネーも、QRコード決済と同様に事前チャージ式がメインのキャッシュレス決済方法。クレジットカードからのオートチャージが利用できるサービスがある点も、QRコード決済と類似している。
相違点は、スマートフォンアプリで利用できるもののほかにカード型の電子マネーも多いことと、特に登録などをしなくても利用できる場合が多いことが挙げられる。
また、決済はQRコードの読み取りではなく、非接触型のリーダーにスマートフォンやカードをかざすことで行う。
代表的な電子マネーは、Suicaに代表される交通系ICカードだろう。利用できる店舗も多く、定期券などの機能と合わせて利用できることから、利用者数も多い。
そのほか、nanaco、WAONなども電子マネーに分類される。
デビットカードは、クレジットカードと似た形で利用できるキャッシュレス決済方法。クレジットカードの国際ブランドが発行しており、インターネット通販などでもクレジットカードと同様に利用することができる。
クレジットカードとの相違点は、支払いが後払いではなく、登録した銀行からの即時支払いであることだ。
また、金融機関が発行したキャッシュカードには、J-Debit(ジェイデビット)というサービスがある。これは、J-Debit対応の店舗で、支払い時にキャッシュカードを提示し、店員に「J-Debitで」と伝えることで、デビットカードのように即時支払いが利用できるというものだ。
複数のキャッシュレス決済の中からどれを利用するかを選ぶ際には、次の4点を基準に検討してみよう。
キャッシュレス決済の支払いのタイミングは、前払い(プリペイド)・後払い・即時払いの3つがある。
<前払い>
・電子マネー(Suicaなど交通系、WAON、nanacoなど)
・QRコード
<後払い>
・クレジットカード
・電子マネー(QUICPay)
<即時払い>
・デビットカード
後払いだとお金を使っている意識が薄れてしまう…と思う場合は、前払いで決まった金額だけチャージしておくことで使いすぎを防ぐなど、自身のお金に対する意識に適した方法を選ぼう。
キャッシュレス決済の多くは、ポイントによる還元サービスを行っている。
キャッシュレス決済を利用することで得をしたいのであれば、還元率が高いキャッシュレス決済方法や、利用しやすい還元キャンペーンを行うことが多いサービスを選ぼう。
キャッシュレス決済は、それぞれ決済時の利便性が異なる。
カードを持ち歩きたくなければ、QRコード決済やスマートフォンで利用できる電子マネーが便利だが、バッテリー切れなどスマートフォンが使えない場合が気掛かりなら、クレジットカードやデビットカードのほうが安心といえる。
人によって、何を便利だと思うかは異なる。自分に合った方法を選択しよう。
現状、キャッシュレス決済は、すべての店舗で、すべての種類が利用できるわけではない。そのため、自分がよく利用する店舗やサービスで利用できるキャッシュレス決済方法を選択するのも◎。
例えば、新幹線の切符はクレジットカードやSuicaで買うことができるが、それ以外のキャッシュレス決済方法はほぼ利用できない。さまざまな決済方法を併用するのが面倒であれば、自分がよく使う店舗やサービスの多くで使える方法を選ぼう。
Apple PayやGoogle Payは、複数の電子マネーをまとめて使うことができるサービスだ。それぞれで登録できる決済方法をまとめると、下記のようになる(2020年3月現在)。
<Apple Pay>
・ほとんどのクレジットカード(※1)
・Suica
・QUICPay
・iD
※1 Apple Payで登録できるクレジットカードはこちら。
Apple Pay に対応しているアジア太平洋地域の銀行とカード発行元 – Apple サポート
<Google Pay>
・一部のクレジットカード(※2)
・Suica
・nanaco
・楽天Edy
・WAON
・QUICPay
・iD
・Visaのタッチ決済
※2 JCBカード、三井住友カード、楽天カードなど。Google Payで登録できるクレジットカードはこちら。
日本 : Google Payでご利用可能なお支払い方法 – Google Pay ヘルプ
キャッシュレス決済をひとつにまとめて利用したい場合は、保有しているスマートフォンに対応したサービスの導入を検討してみよう。
そのほか、クレジットカードと電子マネーが一体化したカードも発行されている。例えばイオンでは、イオンカード(クレジットカード)とWAONカード(電子マネー)が一体化したカードを発行しており、決済時にどちらを利用するか選ぶことができる。
キャッシュレス決済が当たり前になるにしたがって、選択肢はどんどん増えてきている。これまで使っていたサービスよりもさらに使いやすく、メリットの大きい方法があるかもしれない。
この機会に、キャッシュレス決済の使い方や、自分により適した方法を検討してみよう。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
LATEST ARTICLES 最新記事
2024.05.24
2024.02.13
2024.01.23
2023.11.21
2023.10.24
2023.09.26
2023.08.29
2023.08.01
2023.06.27
2023.06.06